【第101回】
リンパ節の切除はより小さく
乳がん(下)
乳がんも、早期に発見すると“体にやさしい治療”が受けられる。乳房のがん部分と脇の下のリンパ節を切除するだけの「乳房温存療法」である。
さらに、リンパ節の切除をより小さくするための「センチネルリンパ節生検」も行われている。「リンパ節の郭清(かくせい=切除すること)は小さくていいのでは…という考えはかなり前からありました。リンパ節を取ってみると転移のないケースが多かったからです」と、乳がんの専門病院で有名なブレストピアなんば病院(宮崎市)の難波清院長(56)は言う。
乳がんのリンパ節転移で、最初にたどりつくリンパ節がセンチネルリンパ節である。ほとんどの場合、脇の下のリンパ節である。「センチネルとは、見張り番という意味で、そこを取って調べてがん転移がなければ、その先への転移はないと考え、それ以上の郭清は省略しようということです」。つまり、センチネルリンパ節の切除だけですむのである。
では、センチネルリンパ節はどのようにして見つけ出すのだろうか−。
シコリの周囲に青色の色素を4〜5カ所に注入。10分もすると、色素はセンチネルリンパ節に到着する。術者は色素に染まったリンパ節を探し出せばよい。これが「色素注入法」。
発見法はもうひとつ「アイソトープ注入法」がある。色素の代わりにアイソトープ(ヨードの放射性同位元素)を注入し、ガイガーカウンターでアイソトープの集まったセンチネルリンパ節を見つける。
この方法を取り入れて、切除がセンチネルリンパ節だけであれば、脇の下のリンパ節切除後のリンパ液を出す管(ドレーン)はいらない。また、多少なりともあった「腕が腫れる」「腕があがりにくい」といった合併症にも悩まされることはなくなる。
▼リンパ節郭清の合併症 脇の下のリンパ管を郭清すると「腕がむくむ」「腕があがりにくい」といった合併症がある。が、これは本来2〜3カ月程度で消える、あくまで一時的なものが多く、手術の加減や放射線照射などによるものである。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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