【第105回】
大切な「見て、触る」自己検診
乳がんの早期発見(下)
早期発見には乳がん検診を年に1回は受け、加えて、月に1回は自分自身で乳房を「見て、触る」自己検診を行うのが重要。だが、実際に疑わしいシコリが自分の手に触れるのは、直径2センチを超えた状態から。それでは早期発見とは言えないのでは、という声もある。
「年に1回の検診はシコリで見つかる前に発見しようというもので、超音波とマンモグラフィの両方を受けていただくのが、よりよい検診です。が、どんな検診にも完ぺきはありません。検診を行ったから次の検診までの1年を保証してくれるものではありません。その間は、自分で発見する以外にありません」。南青山ブレストピアクリニック(東京・港区)の松永忠東院長(49)は強調する。
もちろん、1年間で致命的な成長を遂げる乳がんはほとんどない。が、中には悪性度が高く、あっという間に大きくなる「中間期がん」もある。また、あってはいけない見落としもある。「だからこそ、自己検診が大事なのです」。事実、乳がん患者の80%は、自分で乳房の異常に気付いて受診している。
さて、自己検診は月に1回。上半身が映る鏡の前に立って、両手を頭の後ろで組んで胸を張ったりして左右の乳房をチェック。「乳房にえくぼがないか」「乳房の皮膚に色の変化がないか」「ひきつれ、腫れ、乳首のただれがないか」「乳首が左右同じ方向を向いているか」などを見る。
次に、乳頭に向かって乳房を軽くしごくようにしてから、乳首をつまんで分泌物が出ないかをチェック。
最後はあおむけになって調べる乳房側の腕を頭の方にあげ、反対の手で乳房に触れてシコリをチェック。このときに、背中にタオルや座布団を敷いて行うとより効果的。
「超音波検査を行うときには肩甲骨の下に枕を敷いて行います。だから、胸の部分をあげてチェックされるのはとても良いことです。ただ、それ以上に、歯磨きのように風呂に入ったときに習慣づけてもらうのが良いですね。石けんがついて滑りやすいのでいいと思います」。
どのようにチェックするかよりも、チェックの習慣化が乳がんの自己診断には大事である。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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