【第113回】
視力0・6以下が1つの目安
白内障手術のタイミング
「白内障の手術は怖そうだから絶対嫌 ! 」と、かたくなに拒否していた人が、その後、眼内レンズ挿入術を受けた。そして、第一声は「こんなに良く見えるのなら、もっと早く受けるのだったわ」。
誰にでも加齢とともにやってくる加齢白内障(老人性白内障)での手術は、どのような時期が最も良いのだろうか。「視力で判断するというなら0・6以下になったときでしょう」と、白内障の手術で定評のある東京医科大学病院(東京・新宿区)眼科の臼井正彦教授(64)は言う。
もちろん、この条件だけではない。視力は0・6以上であっても、外に出るとまぶしくてしょうがない、という人もいる。夜間の車の運転で対向車のライトがまぶしくてたまらない人も。ドライバーなどの場合は、0・6以下になるまで待つというのでは怖いというより、危険である。
「今日では、人それぞれの生活様式に合わせ、視力の低下などが白内障によるものであれば、手術を申し込むのに何の問題もありません。医師は白内障を確認して手術を行います」と言うと、臼井教授は次のように付け加えた。「手術の成功は100%保証されるものではありません。だから、しっかり医師選びを行って受けるべきです」。
逆に、手術を先送りしすぎると、それによる問題も生じる。眼内レンズ挿入術では「超音波乳化吸引術」を行うが、その超音波の時間が長くなり、角膜の内皮細胞や虹彩に超音波があたるので、術後の炎症が強くなってしまう。さらに「視力が0・1以下になっていると、水晶体が硬く、医師にとって難しい手術になってしまいます。アフターケアも多くなります」。
医師と十分に話し合って的確なタイミングで−。
▼虹彩 カメラの絞りに相当するのが虹彩。瞳孔の大きさを変えることで、眼に入る光の量を調節している。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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