【第114回】
注目集める「脊髄刺激療法」
慢性難治性疼痛
“痛み”は外傷や病気のサイン。このとき、痛みは原因となっている部位から末梢(まっしょう)神経、背骨のところを走っている脊髄(せきずい)を経由して脳の中心である視床、大脳皮質に至って痛い≠ニ感じている。
この場合、痛みを発生している原因を取り除いてしまうと、痛みから解消されてしまう。
ところが、原因を取り除いても、また、原因がないのに痛みが続いて、その痛みにひたすら苦しめられるケースがある。
「慢性難治性疼痛といいます。簡単にいいますと、治療をしても治らない慢性的痛みで、反射性交感神経性萎縮症(RSD、またはCRPS−1の一部)などが含まれます」と、痛み治療を専門とする埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)麻酔科の相田純久助教授(59)は言う。それには−。
「特に何らかの形で神経が損傷を受けた後、損傷が治ったにもかかわらず強い痛みの残っているのを『神経因性疼痛』といいます」。
具体的には、外傷、脳卒中や手術での神経損傷後の疼痛、がん性疼痛、幻視痛など数多い。
このような痛みを診断・治療するのがペインクリニック。治療としては、すっかり有名になった神経ブロックがある。
「痛みは信号として神経を伝わって脳に行きますので、その道筋で、神経を麻酔薬でブロックし、痛みを伝わらなくしてしまうのが神経ブロックです」。
もちろん、神経ブロックはペインクリニックの主体となる治療方法。このほかに、薬物療法、漢方、鍼灸、理学物理療法、温泉療法、心理療法などが行われている。
それらの治療法をもってしても痛みをコントロールできないケースもある。そこに、今「脊髄刺激療法」が加わり、注目を集めている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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