【第119回】
X線とCTでブラ確認
自然気胸(中)
背が高くやせ形で、20歳前後の男性に圧倒的に多く発症する自然気胸。「男性7に対して女性は1と、男性に多い疾患ですが、最近、男性では喫煙が原因で起こる高齢者気胸、女性の場合は子宮内膜症から起きる気胸が増えてきています」と指摘するのは、日産厚生会玉川病院(東京・世田谷区)気胸研究センター・呼吸器外科の栗原正利部長(51)。
自然気胸とは肺に穴が開く疾患。胸壁も肺も、その表面は胸膜という薄い膜に覆われている。その胸壁側の胸膜と、肺側の胸膜との間は胸腔という狭い空間になっている。
肺側の胸膜に穴が開く原因は、肺の表面に突出してくるブラ(気腫性嚢胞=のうほう)による。「おもちを焼くと表面が割れて、ポワーンと袋のように膨らみます。あのようなものが肺表面にできると思ってください」。
もちろん、ブラができると、すべて自然気胸に結びつくとは限らない。「ブラが破れるのには細気管支炎が関係しているのではないか、といわれています」。細気管支に炎症が起きると、細気管支が狭くなり、その先にある肺胞内の空気の排出が少なくなって肺胞内の圧が上昇。それがブラを破裂させてしまうという。「一般には言われていませんが、ストレスも大きいと確信しています」。
ブラが破裂すると「胸痛」「息切れ」などの症状が起きるケースが多く、呼吸器内科、呼吸器外科で診察を受ける。
検査は、まずは「胸部エックス線」を行う。「肺がしぼんでいますから、エックス線検査だけでも十分に診断はつきます。ただし、エックス線ではブラの確認はできないことが多い。だから、エックス線検査にCT(コンピューター断層撮影)を必ず行います。さらに詳細に知るには胸腔造影検査を加えることもあります。治療方針を立てるのにとても大事だからです」。
状態を正確に把握した検査があってこそ、確実な手術に結びつくのである。
▼細気管支 肺の空気は気管、気管支、細気管支、肺胞と流れ、肺胞でガス交換が行われ、逆経路で体外へ。細気管支は肺胞に至る最も細い気管支である。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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