【第122回】
理由がはっきりしない不安
神経症(全般)
精神神経科が扱う2大疾患「うつ病」と「神経症」。うつ病は“心のカゼ”といわれ、神経症は“心の病”といわれている。精神科医の間では、これらを的確に見分けて診断するのが重要ポイントとされてきた。
「神経症はドイツ語ではノイローゼといいます。一般の方には、こちらの呼び名の方がなじみがあると思います」というのは、神経症・うつ病の診断・治療で著名な初台関谷クリニック(渋谷区初台)の関谷透院長。そして、続ける。
「神経症とは、ひと言で言うと、不安な気持ちを自分でコントロールできなくなる“心の病”です。精神的な原因、つまり環境的なストレスやショックからくる心理的葛藤(かっとう)によって発症すると考えられています」。
もちろん、健康な人でも日常的にさまざまな不安を経験しています。この健康的な悩みと、病的な不安の違いはどこにあるのか。
「正常な不安は本人にも周囲にも不安の理由が明らかです。一方、病的な不安は理由がはっきりせず、長期間続き、症状は心身両面にでてきます」。
共通症状としては、不安以外に、イライラ、興奮、恐怖、強迫、不眠、倦怠(けんたい)感など−。このような心の状態が自律神経を介して身体症状をも引き起こす。どうき、目まい、呼吸困難、吐き気、震え、冷や汗など。このような症状があって検査をしてもこれといった異常のないのが特徴である。
そして、神経症には次の典型的な病型がある。(1)「不安・神経症的な抑うつ状態」(2)「恐怖状態」(3)「強迫・解難・転換状態」(4)「環境反応」(5)「妄想状態」。それぞれの病型によって特徴的な症状もある。
治療法は?。
「神経症は精神(心理)療法的アプローチが中心となります。用いられる薬は抗不安薬となります」。
うつ病では休養と抗うつ薬が中心。適切な治療を受けるには正確な診断が、まずは重要なのである。
▼不安・神経症的な抑うつ状態 不安が高まることで動悸、息苦しさがでてくる。ここに入る神経症としては「パニック障害」「全般性不安障害」「疼痛障害」などがある。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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