【第124回】
一般的にノイローゼ
適応障害(神経症)(上)
「適応障害」−あまり知られていなかったこの神経症が、今日では大変有名な疾患となってしまった。皇太子妃雅子さまの病気として報道されたからである。「疾患名としてはありましたが、ほとんど使われず、ノイローゼと診断されていたのです」と、初台関谷クリニック(東京・渋谷区)の関谷透院長は言う。
適応障害は指摘される通り決して珍しい病気ではない。佐賀大学の佐藤武教授らの「4SADS」(南江堂)によると、適応障害の有病率は極めて高い。「精神科外来患者の10〜30%には適応障害の病名がつく」、また「身体疾患のために入院している患者の20%程度には適応障害が関係している」と言われているのである。
適応障害の病因となるストレス因子は、1つだけではなく、複数の場合がある。職場、学校、家庭のみならず、経済問題や慢性疾患の罹患(りかん)にもかかわっている。「入院して病名を告知されたり、生活の制限を受ける患者さんの多くは適応障害になりかねません」。
症状はさまざまであるが、基本的には抑うつ気分と不安が中心となる。適応障害のDSM−W診断基準では以下のように決められている。
(A)はっきりと確認できるストレス因子に反応して、そのストレス因子の始まりから3カ月以内に、情緒面または行動面の症状の出現。
(B)これらの行動は臨床的に著しく、それらは以下のどちらかによって裏付けられている。<1>そのストレス因子に暴露されたときに予測されるものをはるかに超えた苦痛<2>社会的または職業的(学業上の)機能の著しい障害。
「(C)は他の精神疾患の診断基準を満たしていないことが挙げられ、(E)は死別反応による症状ではないとしています」。
(E)そのストレス因子(またはその結果)がひとたび終結すると、症状がその後さらに6カ月以上持続することがない。
以上の診断基準により診断される。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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