【第125回】
治療のポイントは3つ
適応障害(神経症)(下)
環境の変化や出来事にどうしても適応できないために、抑うつ気分と不安を中心とした症状を引き起こす神経症に対して名付けられたのが「適応障害」である。
「適応障害は重大な環境の変化やストレスの多い出来事に続いて生じる疾患です。はっきりとしたストレス因子の反応から3カ月以内に情緒・行動的な症状が起こり、予想以上の社会的、職業(学業)上の著しい障害が起きてきます。しかし、ストレスがなくなると6カ月以内に症状が消えていくとされています」と、神経症やうつ病の治療で知られる初台関谷クリニック(東京・渋谷区)の関谷透院長は言う。
精神科を受診する患者の10〜30%は適応障害といわれるほど患者は多い。その治療は原則として次の3点に絞られる。
<1>ストレス因子の解明
<2>ストレス因子の軽減・除去
<3>患者のストレス耐性の高揚(ストレスに強くする)
「このために行われるのが『支持的精神療法』『問題解決と認知療法』『薬物療法』『リラクゼーション(自律訓練法など)』といった治療です」。
支持的精神療法は、患者の心理状態をくみ取ったり、それを支持することで精神的に立ち直らせる。患者の悩みを聞くことが重要だ。
認知療法は患者の持っているゆがみを医師と患者で探して検討し、より現実的な物の見方を患者が身につけるよう援助する。神経症では認知療法に加え、森田療法もよく行われる。
薬物療法としては、憂うつな気分が出ているときには抗うつ薬が用いられ、不安が強い場合には抗不安薬が使われる。そして、リラクゼーションによってストレスによる緊張を解きほぐす。
「治療を始めて6カ月以上かかっても回復しない場合には、診断変更に迫られることもあります」。
▼森田療法 精神科医の森田正馬氏によって考案された。神経症に対する治療法で、不安や恐怖、悩みを排除しないで、あるがままに受けとめ、付き合うことが助言される点が大きな特徴。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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