【第132回】
コレステロールの種類に注意
高脂血症(中)
血液中の脂肪(中性脂肪やコレステロール)が過剰状態の高脂血症は、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞に結びつく。そのため「高脂血症は治療を!」といわれている。ところが、熊本、福井などの疫学調査で「総コレステロールが高い人に長寿が多い」などと発表され、「コレステロールは高くても良いのでは?」といった疑問が増えてきている。
それに対して、高脂血症の診療で知られる品川イーストワンメディカルクリニック(東京・港区)の板倉弘重理事長(68=茨城キリスト教大学教授)は次のように答える。「コレステロールや中性脂肪が高いから動脈硬化を促進して身体に悪いとは一概には言えません。それらがいつ増え、また、何が増えているかがポイントなのです」。
そのポイントはいくつかあるが、ここでは2点紹介しよう。
◆「RLP(レムナント様リポタンパク)−コレステロールが高いと要注意!!」 東海大学医学部の研究で「突然死した人の血液にはレムナントが多かった」ことが分かった。また、九州大学医学部の研究で「レムナントが増えている人は血管拡張物質が低下して突然死する」と発表された。これらの研究でレムナントが冠状動脈のスパズム(攣縮=れんしゅく)を引き起こして心筋梗塞に結びつくことが明らかになった。「レムナントは中性脂肪が高めで善玉のHLDコレステロールの低い人に増えている人が多い。また、糖尿病の人にレムナントが増えている人が多いですね」。
◆「sd(スモールデンス)−LDLの増加に注意!!」 悪玉のLDLコレステロールの中でも超悪玉≠ヘ粒子がより小さいsd−LDL。「血管壁に入りやすく、酸化されやすいので動脈硬化を促進させます。粒子が小さいので量が少ない。だから総コレステロールが増えていなくてもsd−LDLが多いと動脈硬化を進めてしまいます。sd−LDLも中性脂肪が高くてHLDが低い人に多くなっています」。
コレステロールの種類を知るとともに、糖尿病、高血圧、肥満などをチェックし、オーダーメードに対応することが重要である。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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