【第134回】
「食事・運動療法」からスタート
高脂血症の治療
高脂血症の治療は、まず「食事・運動療法」からスタートする。「3カ月で駄目なら6カ月行います。それでも中性脂肪やコレステロールが高いようであれば、この段階で薬物療法に入ります」と、品川イーストワンメディカルクリニック(東京・港区)の板倉弘重理事長(68=茨城キリスト教大学教授)は言う。「高脂血症のタイプ。コレステロールのどの数値が高いのか、中性脂肪が高いのか、程度はどうか。患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最も適した薬が処方されます」。
◆スタチン系薬剤(HMG−CoA還元酵素阻害薬) 日本で最も使われている薬で、肝臓でのコレステロール合成に必要な酵素の作用を妨げ、コレステロールをできにくくする。総コレステロールの低下は20〜40%と大きい。「薬物治療では最初に使われます。副作用には肝機能の異常、筋肉障害、胃のむかつき、不眠、全身の倦怠(けんたい)感などがあり、そのような副作用が出たときは、ほかの薬に代えて様子をみます」。
◆フィブラート系薬剤 肝臓での中性脂肪の合成を抑える。「中性脂肪が高いと、突然死に結びつくRLP(レムナント様リポタンパク)−コレステロールが増えています。今、注目されているメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)の方々に効果的な薬です」。
◆胆汁酸排せつ促進薬 肝臓でコレステロールを原料として作られる胆汁酸の一部は再吸収されているが、この再吸収を断ち切る。また、食品中のコレステロールの吸収も妨げる。「スタチン系で副作用が出た人に使ったり、また、スタチン系と併用したりします。副作用としては、おなかが張る、便秘などがあります」。
薬物療法にはこのような薬を使うが、あくまでも基本は生活習慣の改善にあることを肝に銘じて治療に取り組むべきである。
▼メタボリック・シンドローム 内臓脂肪症候群。肥満をベースに<1>糖尿病(予備軍含む)<2>高脂血症<3>高血圧(正常高値を含む)のうち2つ以上ある場合をいう。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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