【第136回】
超音波検査で大きさ、重量を推定
前立腺肥大症(中)
「頻尿」「夜間頻尿」などの排尿障害で前立腺肥大症を疑って泌尿器科を受診した場合、まず行われる検査が「I−PSS(国際前立腺症状スコア)」。WHO(世界保健機関)による世界共通スコアで、7つの症状に対してこの1カ月間にあったか否か、あったらどの程度あったかを答え、その合計点数を出す。
7つの質問のポイントは「残尿感」「頻尿」「排尿の勢い」「尿意の我慢」「排尿が途切れる」「腹部に力を入れての排尿」「夜間のトイレ回数」。合計が7点以下なら経過観察、8点から19点では薬物療法、20点以上は手術も考えられる。
「これはあくまでも診断の1つ。自覚症状です。これだけですぐに治療決定はいけません。このほか、尿の出方、前立腺の大きさを測って治療を決めるのです」と言うのは、新宿石川病院(東京・新宿区)泌尿器科の三木誠顧問(70)。
◆尿流量測定 尿流量計を用いて1秒あたりの排尿量を連続して測定することで、排尿量、排尿時間、最大尿流量率、平均尿流量率などが分かる。「この方法は患者さんの訴える自覚症状を客観的に評価する方法として大変高い価値があります」。
◆超音波検査 肛門から直腸内に超音波のプローブ(発信器具)を入れて隣接している前立腺の超音波画像を得る。「前立腺の大きさ、重量が推定でき、さらに前立腺がんとの鑑別などにも役立ちます」。
このほか、血液検査でPSA(前立腺特異抗原)で前立腺がんチェック、「残尿測定」、医師が患者の肛門から指を入れて前立腺を触診する「直腸内指診」なども加える。
「軽症であれば薬物療法、中等症でも残尿がないと薬物療法。残尿が常時100ミリリットルを超えていると、患者さんは問題ないといっても治療が必要です。薬物治療が第1選択。それで改善しないと手術療法になります」。
▼PSA 前立腺でつくられる糖たんぱく質。前立腺がんになると数値が上昇するため、前立腺がんの腫瘍(しゅよう)マーカーとなっている。ただし、良性の前立腺肥大症でも数値はある程度上昇することがある。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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