【第137回】
薬物療法が第1選択肢
前立腺肥大症(下)
加齢に伴って起きてくる男性の悩み、前立腺肥大症。その治療は−。
「薬物療法が第1選択肢です」とは、前立腺肥大症の治療で知られる新宿石川病院(東京・新宿区)泌尿器科の三木誠顧問(70)。「治療にはα1-ブロッカー、抗アンドロゲン薬、植物製剤などがあります。今日、主流になっているのはα1-ブロッカーです」。
◆α1−ブロッカー(アルファワン遮断薬) 前立腺肥大症になると、前立腺の内腺の組織が場所によって肥大化してくる。それとともにα1という神経が増えてくる。「α1という神経は尿を漏らすまい、漏らすまいと尿道を絞るのです。α1−ブロッカーは自律神経に作用して絞りを緩めてくれるのです」。
高血圧治療にα1−ブロッカーが使われ、血管の収縮するのを抑えるが、それと同じ作用が前立腺部の尿道でも起こるのである。副作用としては、血圧低下による立ちくらみが生じる人がいる。「高血圧の治療薬を服用している人は、主治医と相談することを忘れないように」。
◆抗アンドロゲン薬 α1−ブロッカーが効かないほど前立腺が肥大したときに、それを小さくしてくれるのが抗アンドロゲン薬。男性ホルモンを抑える。使用期間は約3カ月。期間が設定されているのは、服用1カ月半程度でインポテンツになるからで、3カ月で服用をやめると元に戻る。
「80代の方々で手術は嫌という方はこの薬を使います。また、60代、70代の方々は期間を守って服用してもらいます。それはPSA(前立腺特異抗原)を低下させるので、前立腺がんがマスクされてしまうからです」。
このほかに植物製剤などがある。植物製剤は「α1−ブロッカーや抗アンドロゲン薬などが登場する前の薬で、長く使われ副作用の少ない薬」といわれている。
▼抗アンドロゲン薬 男性ホルモンを抑えて肥大した前立腺を小さくする。約30%は小さくなるといわれているので、症状の改善に貢献する。しかし、根治療法ではない。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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