【第144回】
“3種の神器”で発見
前立腺がん(中)
「前立腺がんが多く発見されるようになったのは、PSA(前立腺特異抗原)の測定が多くの施設で行われるようになったことが大きいですね」と、癌研有明病院(東京・江東区)泌尿器科の福井巌部長(61=副院長)が言うように、PSAの測定が前立腺がんの発見に大きく貢献している。
だから、前立腺がんの早期発見も含めて、検査でまず最初に行われるのが「PSA検査」。前立腺がんの腫瘍(しゅよう)マーカー検査で、PSAは前立腺でつくられる糖タンパク質である。健康な人でも血液中に少量存在しているが、前立腺がんになると上昇し、4・0ng/ミリリットルを超えると、次の段階の検査を必要とする。
「逆に、PSAが高くなくても前立腺がんというケースが現実にあります。この場合は『直腸診』が検査として役立ちます」。直腸診は医師が受診者の肛門(こうもん)から指を入れて、直腸の壁ごしに前立腺に触れて肥大やシコリを調べる。
「指の届かないところにがんがあれば分かりません。だから、もう1つ検査を加えます」。それが「経直腸的超音波検査」。細長い超音波プローブを直腸に入れて前立腺を超音波画像でみて調べる。「超音波プローブはがんの疑いが強くなってから行います。また、同時に超音波でみながら生検を行います。疑わしいときは生検検査が必要です」。
「前立腺生検」には「6カ所生検」と「多部位生検」がある。直腸に入れた超音波プローブで前立腺の画像を得て、それをみながら会陰部から、もしくは直腸壁越しに前立腺に針を刺し、6カ所、もしくは12カ所以上の組織を採って調べる。「経直腸生検では多少の死角があるので、より精度を増すには『経会陰(けいえいん)式生検』(肛門と陰のうの間を会陰部という)を行います」。
これらの検査を行うことで、発見の必要のある前立腺がんは見つかるという。
▼前立腺がんの3種の神器 前立腺がんの検査で基本となる重要な検査、「PSA」「直腸診」「超音波検査」を前立腺がんの3種の神器≠ニいっている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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