【第145回】
4つに分けられる進行度
前立腺がん(下)
がんの治療は、進行度合いによって変わってくる。それは前立腺がんも例外ではない。まずは、前立腺がんの進行度を正しく認識する必要がある。ステージは大きくAからDの4段階に分けられている。
◎ステージA 「前立腺肥大症の手術をして偶然に見つかった状態のがんです」と、癌研有明病院(東京・江東区)泌尿器科の福井巌部長(61=副院長)は解説する。
◎ステージB 前立腺内にがんがとどまっている「限局がん」で、いわゆる早期がんの状態。
◎ステージC 前立腺の表面にがんが顔を出した「局所浸潤がん」の状態。
◎ステージD 周囲の臓器などにがんが「転移」した状態。最も転移しやすいのがリンパ節と骨である。
治療としては「手術」「放射線療法」「ホルモン療法」の3本柱で対応するが、ステージが進むに従って対応策は少なくなっていく。「ステージBでは年齢が70歳以下で健康な方であれば、私たちは手術を第1に勧めます。最も根治性が高いからです。小さくておとなしいがんであれば放射線療法の小線源療法もあり、このケースは手術でも小線源療法でも良いでしょう」。
小線源療法が無理な場合は手術か放射線の外照射療法。外照射療法では約2カ月近くの通院が必要となる。「かなり早期の場合は無治療経過観察で、3〜6カ月に1回PSA(前立腺特異抗原)チェックを行い、上昇傾向が強いと経過観察から治療に入ります」。
これがステージCになると単独の治療では難しい。「ホルモン療法を行ってから手術、もしくは放射線療法です」。
ステージDになると、選択肢はホルモン療法のみ。男性ホルモンを遮断もしくは中和する薬物療法である。「30%の方々は一生効果が続きますが、70%の方々は耐性ができて効かなくなります。いつ効かなくなるかは千差万別です」。
また、最近は40代で前立腺がんが発見されるケースも出てきている。早期がんであれば「手術」が一致した考え方となっている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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