【第152回】
腎機能30%以下の状態
腎不全(中)
腎臓病の中で、腎不全に至る3大疾患が、糖尿病腎症、慢性腎炎、腎硬化症。では、腎不全とはいったいどのような病気なのか。
「腎不全は腎臓病の1つではなく、腎臓が機能を果たせなくなってきた状態のことです」。東京都済生会中央病院(東京・港区)腎臓内科の栗山哲部長(52)は言う。
肝不全、心不全などと同じである。ただ、突然に腎不全になるのではない。腎不全の状態にもかなり幅がある。「健康な人の腎臓の状態を100%とした場合、30%以下の状態が腎不全です。生命の危機に陥る尿毒症は10〜5%の状態です。それから言えば、腎機能が10〜5%になるまで生命はもつともいえます」。
腎不全になると、老廃物の濾過(ろか)ができなくなるので、体内に老廃物が蓄積され、吐き気や脱力感といった症状が出る。もちろん、これだけではない。
(1)水分や塩分が体内にたまってしまうので、高血圧、浮腫(ふしゅ)、心不全。そして心不全から肺に水がたまる肺水腫も引き起こす。
(2)腎臓でのホルモン産生ができなくなる。「赤血球の生成に関係するエリスロポエチンというホルモンができないので貧血に。また、ビタミンDの産生障害から腎性骨症といって骨がもろくなってしまいます」。
(3)酸の排せつもできなくなるので体内が酸性化する「アシドーシス」が現れ「生命の維持が難しくなります」。
腎不全になると、これら多くの状態が組み合わさって起こるので、患者一人ひとりの症状は「多様性があり異なります」。
生命の維持が難しいような状態になると、当然、透析療法に移行することになる。
▼尿毒症 腎機能が10〜5%の状態は、腎臓が機能しないので、体内のすべての臓器が悪影響を受け、悲鳴をあげ始める。腎不全の終着駅で、透析療法にすぐに入らないと生命にかかわってしまう。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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