【第153回】
変わらず飲食 腹膜透析増加
腎不全(下)
腎臓の機能が低下する腎不全がさらに進行し、末期腎不全となると、ほぼ透析療法となる。東京都済生会中央病院(東京・港区)腎臓内科の栗山哲部長(52)は「透析療法は腎機能の代行です」と言うと、その代行内容を語った。
「腎臓の働きは大きく4つあります。第1は、老廃物の排せつです。第2は、水と塩分の排せつです。第3は、体をアルカリ化するのです。以上が透析で代行し、残る第4、エリスロポエチンとビタミンDを産生することについては、エリスロポエチンは注射で投与し、ビタミンDは内服での補充療法となります」。
この透析療法には「血液透析(HD)」と「腹膜透析(PD)」がある。
血液透析は、まず簡単な手術で前腕の動脈と静脈をつなぎ合わせたシャントをつくり、そこから血液を取り出す。体外に取り出された血液はダイアライザーと呼ばれる透析器に送られ、血液中の老廃物が取り除かれる。また、圧をかけることで余分な水分も除かれ、浄化された血液は再び静脈へ戻される。この体外循環によって血液を浄化するのである。
一方、腹膜透析は在宅で行う透析。患者自身の体の中にある腹膜を利用して24時間連続的に行う透析療法だ。腹膜に穴を開けて柔らかいカテーテルというチューブを腹膜内に挿入。体外には常にカテーテルの一部が出ている状態になる。このカテーテルを使って透析液を入れ、一定時間貯蓄しておくと、腹膜を通して老廃物や余分な水分が透析液中に出てくる。これを腹膜から排液し、新しい透析液を入れる。
現在、日本では血液透析を受けている人が約96%で、腹膜透析を受けている人は約4%。だが、少しずつ腹膜透析が増えつつあるという。「一長一短はありますが、腹膜透析の良い点は尿量が保たれる点です。だから、腎機能が残っていると、これまでとあまり変わらず食べたり飲んだりできます。ただし、塩分制限は重要です。また、透析液の改良で腹膜劣化などの合併症も減ってくる期待があります。そのようなことが最近増加してきた原因の1つと思われます」。
血液透析か、それとも腹膜透析か、主治医と充分に話し合って、より自分自身に合った選択をすべきである。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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