【第154回】
わずか0.3%、望まれる施設増
腎移植が少ない理由
末期の腎不全になると、治療は「血液透析(HD)」「腹膜透析(PD)」「腎移植」の選択になる。日本は移植が少ない透析大国で、血液透析が約95・7%、腹膜透析が約4%、腎移植が約0・3%の状況。02年には透析療法を受けている患者数が23万人を超えたのに対し、腎移植を受けることのできた人は、わずかに750人。諸外国と比べるとその少なさが浮き彫りになっている。
「英国は腎移植が50%を占め、あとの50%が透析療法(血液透析25%、腹膜透析25%)です。米国の場合は腎移植が年間に約1万3000人で、日本の約20倍です」と、東京都済生会中央病院(東京・港区)腎臓内科の栗山哲部長(52)は言う。
これほどまでの違いは、日本では医療経済が安定し、血液透析の普及が大きいからである。また、血液透析は医療スタッフが十分にケアをしてくれるという安心感もあるだろうし、欧米諸国との死生観の違いもあると思われる。
さらに、「腎移植を行う施設が少ないのも増えない理由の1つにあると思います」と、栗山部長。事実、年間20件以上の腎移植を行っている施設は、札幌市立札幌病院(札幌市)、仙台社会保険病院(仙台市)、東京女子医科大学腎臓総合医療センター(新宿区)、東邦大学医学部付属大森病院(大田区)、名古屋第二日赤病院(名古屋市)、京都府立医科大学付属病院(京都市)、市立宇和島病院(愛媛県宇和島市)の7施設のみ。
「やはり、移植ができると患者さんのQOLが血液透析とはグンと違ってきます。さらに、医療経済面でも移植が増えないと将来が見えてきませんね」。抜本的な改革を行わねばならない時代を迎えているといえよう。
▼透析患者数と施設数 日本の透析患者数は02年で約23万人。年間約1万3000人増加し、580人に1人が透析を受けている計算になる。透析施設は3485施設で、毎年新規に約120施設が参画している。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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