【第156回】
内視鏡対応は病巣2センチ以内
食道がん(中)
食道がんの病期も、他の胃がんなどのようにがん細胞の深達度(深さ)、転移の有無によって0期から4期にまで分けられる。当然、病期によって治療方法は異なる。
0期…がんが粘膜内にあり、リンパ節転移がない(内視鏡的粘膜切除術)。
1期…がんが粘膜内にあるもののリンパ節に転移。また、がんが粘膜下層に達しているが転移なし(手術、放射線療法)。
2期…がんがわずかに外膜の外に顔を出している。また、周囲のリンパ節にのみ転移(手術、化学・放射線療法)。
3期…がんが食道の外に顔を出している。また、少し離れたリンパ節にまで転移(手術、化学・放射線療法、化学療法)。
4期…がんが食道だけでなく周囲の臓器に広がっている。また、遠くのリンパ節や腹膜などにも転移(化学・放射線療法、化学療法)。
「0期という早期で食道がんが発見されると、内視鏡を使った患者さんの体にやさしい内視鏡的治療の粘膜切除術がコンセンサスを得られています」と言うのは、食道がん治療の世界のリーダー、東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)外科の幕内博康病院長(60)。
内視鏡的粘膜切除術は、ルゴール液でがん部分のみを白く浮き上がらせ、がん組織下に生理食塩水を注入。スネアといわれるループ状ワイヤをかけ、スネアを締めて高周波電流を流して焼き切る。この内視鏡の先端にキャップをつけ、がん組織をキャップに吸引して取ってくるのが吸引法。吸引法の1つとして幕内チューブを使って行われるのが「EEMRチューブ法」。幕内病院長が世界に先駆けて開発したもので、がん組織を最も広く切除できる。
「内視鏡での治療の絶対適応はがん病巣の直径が2センチ以内です。ただ、3センチでもEEMRチューブ法では取れます。その場合は、リンパ節転移のないがんを選択して行われ、術後、リンパ管にがんが入っている場合は手術などの追加治療を考慮します」。
このほか「フックナイフ(切開・はく離法)」や「レーザー治療(PDT)」なども行われている。身体にやさしい治療を受けるには、症状のない0期で発見する必要がある。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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