【第159回】
5つに分けられ対処も違う
脳卒中(上)
03年の疾患別死亡者数の第1位はがんで約31万人、第2位は虚血性心疾患で約16万人、第3位は脳血管障害で約13万人。
第3位の脳血管障害が一般的にいわれるところの脳卒中である。80年までは死因の第1位だった。今日では第3位と、患者も減っているように思われるが、そうではない。高血圧予防などが功を奏して死亡者は少なくなったが、脳卒中患者自体は増えている。患者数は150万人にも上っている。
増える脳卒中は大きく「脳梗塞(こうそく)」「脳出血」「くも膜下出血」の3つに分けられる。さらに、脳梗塞は「心原性脳梗塞症」「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」に分けられる。
◎心原性脳梗塞 心臓の左心房に心房細動という不整脈が起き、それが原因で血栓ができ、その血栓が脳にとび、脳血管に詰まってしまう。長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督を襲った病気として、すっかり有名になった。
◎アテローム血栓性脳梗塞 悪玉のLDLコレステロールが血管壁にくっつき酸化して酸化コレステロールになる。これが血管の最も内側の内膜に入り込んで粥状(じゅくじょう)の塊を作る。これがアテロームで血管の通り道を狭くする。「そこに頚(けい)動脈などの血栓がはがれて飛んで詰まるのをいいます」と、東京逓信病院(東京・千代田区)脳神経外科の野口信副院長(53)は言う。
◎ラクナ梗塞 脳の穿(せん)通枝(細い動脈)に高血圧の影響で動脈硬化が進み、そこに血栓が詰まる。
◎脳出血 「脳卒中のリスクが高い高血圧の知識が一般に広がり、管理が良くなりました。さらに、栄養状態の良さが丈夫な血管をつくり、血管が破れにくくなったので、脳出血は減少しています」(野口副院長)。
◎くも膜下出血 脳を包んでいるくも膜の下の太い脳動脈に瘤(こぶ)ができ、それが破裂して出血を起こす。
脳卒中は、どの疾患かによって、治療は違ってくるので、まずは早急に正確な診断を必要とする。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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