【第160回】
サインに気付いたらすぐに受診を
脳卒中(中)
脳で起こる疾患では、多くの人が「サインは頭痛」と思っている。が、脳卒中の1つで増え続けている脳梗塞(こうそく)。脳の血管が詰まるこの病気では頭痛はない。ただ、脳梗塞になった人の30%程度が思い当たるサインを体験している。
そのサインについて、東京逓信病院(東京・千代田区)脳神経外科の野口信副院長(53)は、次のように話す。「手や足に力が入らないので、ちょうど食事中の場合には、はしを落としてしまうなどの運動障害、両眼の視野の一部が欠ける視野障害、言葉が出なかったり他人の言っていることが理解できなかったりする言語障害などが出てきます。これらの症状が24時間以内に消えると『一過性脳虚血発作(TIA)』です。24時間以内と言いましたが、実際には5分から1時間くらいで症状が消えるケースがほとんどです」。
これらのサインに気付いたら、症状が消えたから大丈夫と思わず、すぐに神経内科や脳神経外科を受診すべきである。
ただ、この一過性脳虚血発作の症状が消えた後では検査をして異常が分かるのだろうか−。「CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)をとっても異常は出ません。症状が明らかにTIAである場合は、予防的に抗血小板薬を使います」。
抗血小板療法として使われる抗血小板薬としては、オザグレル、チクロピジン、そして有名なアスピリンなどがある。心原性脳塞栓症以外の脳梗塞であるアテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞の予防に結びつく。それは、血小板の凝集などを抑制するからだ。
TIAは将来の大きな脳梗塞の前兆としっかり認識し対応すべきである。
▼アスピリン 100年以上という長きにわたって使用され続けている。以前から解熱・消炎・鎮痛薬として有名だが、最近ではもう1つの作用、血小板凝集抑制作用の抗血小板薬としてよく知られている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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