【第174回】
100万人が悩んでいる
不妊症(上)
芸能界に限らず“できちゃった結婚”は多いといわれる。その一方で、赤ちゃんをなかなか授からない人たちもいる。いわゆる不妊症。国際不妊学会では「通常の性生活があるにもかかわらず、2年以内に妊娠の成立をみないものを不妊という」と定義している。
日本では、1年以内に約80%が妊娠し、2年以内には約90%が妊娠する。残った約10%が不妊症で、不妊治療を受けたり、受けたいと考えている。その不妊治療を始めるとき、何をおいても、まずは検査で原因を明らかにする。
「不妊の原因は女性にばかりあるのではありません。男女別に不妊の原因を調べますと、女性側に原因のあるケースが90%、そして、男性側に原因のあるケースが40%です。合わせると130%になりますが、その30%は男女ともに原因があるケースです」。不妊治療、更年期治療で定評のある西川婦人科内科クリニック(大阪市中央区)の西川潔名誉院長は言う。
より具体的に不妊原因を分析すると、以下のようになる。
女性側の原因としては多いものから「排卵因子障害」37・6%、次いで「頸管因子障害」33・3%「卵管因子障害」18・8%「子宮因子障害」1・7%で、検査を行っても「異常なし」が8・6%となっている。
一方、男性側の原因としては、「精子の数が少ない、運動率が悪い」「精管通過障害(精管の閉鎖)」「ED(器質性と心因性のインポテンツ)」がある。
厚労省研究班の推計では、全国で47万人が不妊治療を受けていると発表されているが、西川名誉院長は「実際には100万人近いと思われます」と分析している。
▼不妊治療の初診 不妊相談にまず妻が、後日夫婦で訪れるケースが多いが、最近は男性の精子減少が増えている。若い男性ほどこの傾向が強く見られるので、最初から2人で診察を受けるべきである。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
|