【第175回】
排卵因子など4障害
不妊症(中)
通常の性生活があっても2年以内に妊娠しない場合は「不妊症」と定義される。
赤ちゃんを強く望む方々は、不妊治療を行うことになるが、一般不妊治療は自然妊娠を目指し、検査で不妊原因を究明、治療を行う。
女性に原因のある「排卵因子障害」「卵管因子障害」「頸管因子障害」「子宮因子障害」の場合、それぞれ対応は異なる。
◆排卵因子障害 排卵に問題のあるケース。ほとんどのケースで排卵誘発剤が使われる。注射薬の排卵誘発剤(HMG)は排卵誘発率が60〜70%と高く、妊娠率も30〜40%と極めて高いが、多胎率も20%と高くなっている。
このほか、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、内服薬のクロミッド、セキソビット、また、LH−RHという脳下垂体刺激薬などもあり、多くの作用の異なる薬剤を上手に組み合わせ、相互作用で排卵を誘発させる。
◆卵管因子障害 卵管が詰まる、細くなる、炎症があるといったケース。
「卵管閉鎖にはマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)が主流だが、出血を観ない治療として選択的子宮卵管造影法や卵管鏡下に卵管閉鎖を治療する方法があります」と、選択的子宮卵管造影法を改良開発した西川婦人科内科クリニック(大阪市中央区)の西川潔名誉院長はいう。そして、続ける。「これで効果が上がらない場合は体外受精が選択されます」。
◆頸管因子障害 子宮の入り口にあたる子宮頸管部に問題があるケース。「頸管粘液を改善する薬による治療、または人工授精が選択されます」。
◆子宮因子障害 受精卵が着床し、出産まで成育する場所の子宮に問題のあるケース。「子宮筋腫は内視鏡下手術が主流。子宮内膜を良好にする治療も施行しまです」。一方、男性に原因のあるのが「男性因子障害」。この場合は薬を使っての治療のほかに、さまざまな生殖補助医療技術が応用された治療が行われる。「体外受精や顕微授精が行われています。さらに、睾丸や副睾丸から精子を採取しての顕微授精も行われています」。
不妊治療の進歩が効果的治療を生み出し、より赤ちゃんを抱ける可能性が高まっている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
|