【第29回】
症状で薬をオーダーメード
スギ花粉症(中)
スギ花粉の飛散開始は、東京が2月19日と予想されている。今年はこれまでのスギ花粉飛散量の最高とされた95年と同じか、それ以上といわれている。昨年と比較すると20〜30倍。患者は5〜6人に1人と多いが、今シーズンはさらに増え、症状も1〜2段階重症化すると思われる。
最悪の年中行事のシーズンとなるスギ花粉症。そのメカニズムは−。
「身体に花粉(抗原)が侵入すると、これを異物とみなして抗体≠つくり、抗原を撃退しようとします。これが免疫反応です」と説明するのは、日本医科大学付属病院(東京・文京区)耳鼻咽喉科の大久保公裕助教授(45)。
「鼻や目の粘膜には肥満細胞がありますが、抗体はそれと結びつきます。花粉が侵入、花粉タンパクとその抗体が結合した肥満細胞が増加し、ある程度まで結合が増えると、その肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンが放出されるのです」。ヒスタミンやロイコトリエンという物質は鼻の症状を引き起こす。ヒスタミンは「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」、ロイコトリエンは「鼻詰まり」に関係する。
基本治療は薬物療法。「今は患者さんの症状『くしゃみ・鼻水型』『鼻詰まり型』『目のかゆみ型』『全身症状型』によってオーダーメード的医療ができます。症状によって薬を組み合わせていくのです」。
▼くしゃみ・鼻水型 ヒスタミンの放出を防ぐ抗ヒスタミン薬を使う。第2世代といわれる薬には眠気の副作用がほとんどなく、1日1回と服用しやすい薬が登場し、水なしでのめるレディタブも出ている。
▼鼻詰まり型 ロイコトリエンを抑える抗ロイコトリエン。症状が重いケースには局所ステロイド薬を追加する。
▼目のかゆみ型 短期的にのみ薬のステロイド薬と抗ヒスタミン薬。「スギ花粉の飛散前や飛散初期にはヒスタミンやロイコトリエンの放出を抑える『遊離抑制薬』を使います」。
▼全身症状型 ヒスタミンの放出を防ぐ抗ヒスタミン薬を使う。第2世代といわれる薬には眠気の副作用がほとんどなく、1日1回と服用しやすい薬が登場し、水なしでのめるレディタブも出ている。
これらの組み合わせの確かさが、まさしく名医のさじ加減といえよう。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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