【第91回】
椎間板は17歳以降しだいに痛む
椎間板ヘルニア(上)
腰痛に悩む日本人は多く、成人の10人に1人が苦しめられているという。その腰痛の原因のひとつである腰椎椎間板ヘルニアは人口の約1%が経験しているというので、120万人。重症で手術を受ける人は−。
「人口10万人あたり毎年46人くらいです。この手術率は米国とほぼ同じです」
と、椎間板ヘルニア等の治療で知られる東京医科大学病院(新宿区西新宿)整形外科の駒形正志助教授(57)は数字をあげる。
その腰椎椎間板ヘルニアとは、どのような疾患か。
ヘルニアとは「脱出」とか「飛び出す」の意味。椎間板は背骨を構成している腰椎と腰椎の間にあってクッションの役割を担っている。椎間板の中心部にはゼリー状の柔らかい髄核があり、その周囲を線維輪という厚い組織に囲まれている。
線維輪が物理的ストレスのために傷んで亀裂が生じ、そこから髄核が後方に「脱出」してしまったものを椎間板ヘルニアという。下肢に感覚障害、運動麻痺の起こるのが大きな特徴。
「一般に用いられるMacnubの分類では(1)『椎間板全体が後方に膨隆する』(2)『髄核が線維輪を破って後方に移動するが後縱靭帯の下に留まっている』(3)『髄核が後縱靭帯を破ったが椎間板と連続している』(4)『髄核が椎間板から遊離してしまった』の4つになります」。
その原因は椎間板の線維輪の変性。
「椎間板がみずみずしいのは、17歳くらいがピークといわれています。それ以降しだいに傷んできます」
重い物を持ちあげる労働、激しいスポーツ、また、1日10本以上タバコを吸うと約20%ヘルニアのリスクがアップするという報告もある。そして、年齢的には20代から30代に多い。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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