【第99回】
正しく病期を知ることが重要
乳がん(上)
日本では現在毎年約4万5000人以上の女性が乳がんと診断されている。約10年前から胃がんを抜いて、日本人女性のがんとしては最も多いのが乳がんとなっている。
「他のがんと比べて乳がん患者の増加カーブは急激です」
と、乳がんの専門病院として有名なブレストピアなんば病院(宮崎県宮崎市)の難波清院長(56)。そして、その理由を。
「戦後の日本人女性の生活習慣の変化が最も大きいですね。女性の社会進出で『結婚しない』『子供を産まない』女性が増えました。欧米型の動物性脂肪の多い食生活に変化し栄養状態が良くなったため『初潮が早く閉経が遅い』『閉経後の肥満』などで女性ホルモンの体内環境が大きく変化したためでしょう」
基本的な変化がないだけに、今後も増えると推測される乳がんは、がんと診断されたら、まずは正しく病期(ステージ)を知ることが重要である。
「乳がんは『シコリの大きさ』『リンパ節転移の程度』『全身転移の有無』によって進行度がきまってきます」
・0期…乳房に触れてもまったくシコリがわからない。乳管内にとどまる非浸潤がんで超早期がん。
・1期…シコリの大きさが2センチ以下(1円玉の大きさ)で、脇の下のリンパ節への転移がない。(ここまでが早期乳がん)
・2期…シコリの大きさが2センチ以下で、脇の下のリンパ節への転移が疑われる状態、または、シコリの大きさが2〜5センチまでで、脇の下のリンパ節に転移している。
・3a期…シコリの大きさが5センチ以下で、脇の下のリンパ節に転移があり、しかもリンパ節がお互い連なって固まっていたり皮膚や筋肉に固定している状態、または脇の下のリンパ節への転移の有無にかかわらず、シコリの大きさが5センチよりも大きい状態。
・3b期…シコリが肋骨(ろっこつ)や胸筋にがっちりと固定しているか、皮膚にシコリが顔を出したり皮膚が崩れたり皮膚がむくんでいるような状態、またはシコリの大きさなどにかかわらず、鎖骨の上または下のリンパ節に転移があるか、同じ側の胸がむくんでいる状態。
・4期…遠隔臓器への転移が起きている状態。
「この病期によって治療計画が決まります」
それだけに、正しい診断が重要なのである。
▼病期別乳がん10年生存率 術後10年生存率の状況は、0期95%。1期90%、2期80%、3期60%、4期20%となっている。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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