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本紙記者コラム「見た・聞いた・思った」
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2004/11/09付紙面より 過去のコラム一覧へ

新潟支援競馬開催を

レース部 高木一成記者

 10月23日に発生した新潟県中越地震の被害はまだまだ大きい。新潟には競馬場もあり、毎夏には取材で出張もしていたし、心配していた。連日の報道を見ても、被害の大きかった地区では避難所での生活が長引きそうな人も多い。

 長岡に住む友人は「余震が続いていて復旧作業が進まない。これで雪が降り出したら、壊れた家を直すにも作業が出来なくなる」と話していた。極度の精神面の緊張に、雪の寒さまで加わったたら被災者は今まで以上の苦労を味わうことになる。

 少しでも被災者を応援しようと、中央競馬サークルからも多くの義援金が寄付された。天皇賞を勝った藤沢和雄調教師とペリエ騎手、菊花賞を制した地方・園田競馬の岩田康誠騎手など個人からの寄付も多い。関東のトップジョッキー蛯名正義騎手(35)は「本当は現地に行ってボランティアでもしたいが、馬相手の仕事ではそうもいかない。自分にできるせめてもの気持ち」と話し、100万円を寄付した。日本中央競馬会(JRA)も2000万円の義援金を拠出した。

 だが、まだできることはある。本来持っている競馬の公共性、社会性をアピールする意味でも、復興支援競馬開催をぜひ検討してもらいたい。

 95年の関西大震災のとき、JRAは義援金拠出を目的とした復興支援競馬を開催した前例がある。1月17日の大震災直後に中止になった京都競馬を、6月3、4日に代替した。同時開催の東京、中京の入場料と収益相当額で24億円を拠出。本来、天候などによる代替開催は同一開催内に行わなければならなかったが、農林水産省が特別な事情を考慮し、農水省令を改正してまでの開催だった。翌年も7月7日の宝塚記念当日を震災復興支援に充て、収益額30億円を被災地に拠出した。

 当時より売上減に悩むJRAが、利益の中から多額の特別予算を組むのは難しい状況かもしれない。だとしたら余計に積極的に動いてほしいのは国(競馬の管轄は農林水産省)だ。馬券の控除率25%のうち、10%は第1国庫納付金(実際にはその後手続きを踏んで第2国庫納付金も発生する)になる。畜産振興事業、社会福祉事業に使われているが、復興支援競馬の場合は、国庫納付金になる分を、政府がそのまま災害支援に割り当てるぐらいの柔軟性があってもいい。

 中央競馬の開催日数は法律で年間288日と決められているが、今回も特例として考慮するだけの価値は十分にあると思う。もし開催日数自体がどうしても増やせないというなら、年末の有馬記念、来春のダービーなどレース数が少ない日(通常は12レース制)に、年間を通して支援レースを増設する手もある。

 日本は地震大国だということを改めて思い知らされた今回の地震。関西大震災の教訓が十分に政府に生かされていたかは疑問だ。

 被災者の方が暖かい冬を過ごせるために、せめて事後対応ではいろんな策を打ってもらいたい。

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◆高木一成(たかぎ・かずあき)
  97年入社。レース部中央競馬担当、販売局、再びレース部。現在、中央競馬担当。東京出身、31歳。
高木記者の写真

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