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2004/01/26
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激闘後の意外な光景
写真部 鈴木豊記者
ラグビーといえば、ドラマ「スクールウォーズ」ぐらいしか興味を持っていなかったが、写真での取材を通じ、その魅力に取りつかれてしまった。ラグビーほどハードなスポーツはないと思う。望遠レンズから見える男たちの攻防は、こちらの顔が思わずしかめっ面になるほど、時に痛そうだ。
外からは見えないスクラムやモールの中は無法地帯のような時もある。選手の股間(こかん)に手を入れ押し合うスクラムでは、その手がそのまま相手の顔面に拳で入ることもある。蹴られる、殴られるは当たり前。転倒した選手の顔が踏みつけられる時もあるし、急所をも思い切り強打する時もある。モールではボールを持った選手がヘッドロックの憂き目にあったり。それでもボールを死守する選手の表情を見ていると、こちらの胸も熱くなる。ラグビーは紛れもなく格闘技。ノーガードの打ち合いだ。
一方で「紳士のスポーツ」でもある。ノーサイドの笛が鳴り、選手たちは握手を交わし、健闘をたたえ合う。さらに、その後は一緒の風呂場でともに汗を流し、アフターファンクションという歓談の場に出席する。ブレザーに着替えた勝者と敗者が、ビールを片手に乾杯! 和気あいあいと、試合を振り返る。
私には信じられない現実だった。いくらノーサイドの精神とはいえ、殴られたり踏まれたりした相手と、試合後にすぐさま同じ部屋で談笑できるなんて。人一倍執念深い性格もあるのだが、私には到底できない。
一昨日、トップリーグ最終節・クボタ対ヤマハ発動機の取材に行った。アフターファンクションを終えた選手に、どうしても聞きたかった私の疑問をぶつけてみた。「遺恨? そんなのないない」「相手が憎くてコンタクトやってるわけじゃないからね」「体の痛みも忘れてプレーしているんで、いくらキツイのもらっても、そんなの瞬間で忘れます」。そんな声を多く聞いた。
しかし、だ。不当なラフプレーは、いくら何でも怒りは覚えるだろう。クボタのSH西田英樹(31)は「そういうときはね、その選手と向き合って『あれはちょっとやり過ぎやぞ! まあ、飲め!』とね、一緒にビールを飲みます。それで終わりですよ」。ベテランらしい粋な計らいだ。
ヤマハ発動機のフッカー浜浦幸光(34)は「若いころは正直『このヤロー!』って思うこともあったけどね。だけど年を重ねるにつれ、まず相手を尊敬するようになったんですよ。尊敬する人に勝てたら最高じゃないですか」。ヤマハ発動機が関西社会人Bリーグ時代からの生え抜きは、ラグビーを達観しているのかも知れない。
ラグビーのトップに対してバカなことを聞いたと思う。それでも皆、笑顔で「(新聞で)ラグビーを大きく扱ってくれればいいですよ」。
この試合の観衆はわずか3100人。たとえルールは詳しく知らなかったとしても、鍛えられた男と男の激突だけでも、一見の価値は十分にある。
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鈴木豊(すずき・ゆたか)
写真部。広告整理部、編集局整理部、写真部、静岡支局(磐田担当)を経て01年秋から写真部。現在の担当は全般。90年入社。36歳(独身)。
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