し尿浄化槽ふた64枚盗難、割合わぬ犯行
福岡県飯塚市の県営鯰田(なまずた)団地で、し尿処理浄化槽のふた64枚(計約150キロ)が盗まれる事件が発生し、飯塚署は13日、うち57枚が約10キロ離れた河川敷で見つかったと発表した。発見されたふたからはステンレス製の取っ手がすべて除去されており、飯塚署では売却目的の犯行として調べているが、取っ手の総重量は19・2キロで換金しても1920円相当。割に合わない犯行に関係者は首をひねっている。
県営鯰田団地で、繊維強化プラスチック(FRP)製のし尿浄化槽のふた全70枚のうち、64枚がなくなっているのを浄化槽管理会社の社員が見つけたのは11日。1週間に1回ペースで点検しており、前回4日の時には異常はなかったという。
飯塚署が窃盗容疑で捜査を始めたところ、翌12日午後3時ごろ、団地から北東に約10キロ離れた福岡県赤池町の河川敷にFRPのふた57枚が散乱しているのを通行人が発見した。しかし、ふたに2つずつ付いていたステンレス製の取っ手(1つ約150グラム)はすべてなくなっていた。飯塚署ではFRPのふたを売ることは難しいが、ステンレスはくず鉄業者などにうることができることから、ステンレス売却目的の犯行とみている。
しかし、今回盗まれたステンレスの総重量は推定19・2キロ(150グラム×64×2)。金属スクラップを扱う日新メタル(福岡市)では「ここらでは5年ほどステンレスは1キロ100〜110円で買い取っている。19・2キロだと1920円ですか」と話す。鯰田団地を管理する県住宅公社筑豊管理事務所では「ふたは64枚だと重さは150キロはある。車も必要だろうし、盗む方は割に合うのかな」と首をひねる。
ただ、昨年2月から12月まで、すぐ近くの遠賀川流域では、ステンレス製の巨大門扉などが盗難される事件が44件も発生し、被害総額は1900万円を超えている。これまで飯塚署管内では門扉盗難はないことから同署では「関係ない」と取っ手事件≠ニの関係を否定するが、大がかりなステンレス窃盗団が背後にいる可能性はある。
遠賀川河川事務所では「飯塚市内にも門扉はある。ボルトの溶接など対策は練っているが、ステンレス製品の盗難事件が起きたことで、飯塚市の門扉も狙われる可能性がある。これ以上の被害は出したくない。県警に陳情にいくことも考える」と話している。
[2006/1/14/10:33 紙面から]
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