小嶋社長「刑事訴追の恐れ」証言拒絶32回
「オジャマモン」が証言拒否を連発した。耐震強度偽装問題をめぐって衆院国土交通委員会は17日、構造計算書が偽造された20件以上のマンションの建築、販売に関与したヒューザーの小嶋進社長(52)を証人喚問した。小嶋社長は姉歯秀次元1級建築士(48)の偽装を知って以降のマンション販売契約について「違法性の認識はない」と述べた。しかし、具体的な事実に関する質問などには「刑事訴追の恐れがある」などと32回にわたって証言拒否を繰り返した。
「オジャマモン」らしさを発揮したのは証人喚問終了後になってからだった。国会記者会館で会見し「瑕疵(かし)担保責任を一身に負っている立場。死んでおわびするのか、生きさらばえて恥をかきながらでも責任を全うするのか」と言葉を詰まらせて「生かしていただければ(再建は)不可能なことではないと、住民の方々にはご理解いただきたい」。涙ぐみながら被害住民に理解を求めた。
約2時間15分にわたる証人喚問では涙はもちろん、感情も出さなかった。数珠を手に、黒っぽいスーツとネクタイ姿。神妙な表情を浮かべて「刑事訴追の恐れがあるので」などと証言拒否を連発。11月の参考人招致で「何言ってんだ。ふざけんなよ」と怒鳴り散らし、取材に「証人喚問してもらいたい。国交省の幹部で私にしゃべられると困る人がいる」と強気だった「オジャマモン」とは“別人”だった。
昨年10月25日に偽装を知った後、物件の売買や引き渡しがあったことは認めたが、「宅建業法、その他の法律について違法性の認識はない」と述べた。「すべて私の不徳の致すところ」と謝罪したが、問題の核心部分や具体的な事実に関して証言を避け、後ろに座った補佐人の鶴見俊男弁護士を振り返って34回も相談。32回も証言を拒んだ。ときには時間稼ぎをするかのように「聞きそびれました」と再質問を求め、林幹雄委員長(自民)から「聞きそびれたのになぜ相談できるのか」と注意されても、のらりくらり。「国会をばかにしているのか」「あなたは何をしにきたのか」という指摘の声や、やじには目を伏せて耐えた。証言拒否は「偽証罪などで訴追されないためのぎりぎりの決断だった」という。
この日は、多くのマンションが倒壊した阪神大震災から11年。委員会の冒頭には、犠牲者への黙とうがささげられ、小嶋社長も目を閉じてこうべを垂れていた。しかし、最終質問者の糸川正晃衆院議員(国民新党)が最後の質問として「証人喚問は何だと思いますか」と聞くと、ひと呼吸おいてから立ち上がり「え〜。私自身、正確にはよく存じ上げておりません」と答えた。
[2006/1/18/08:43 紙面から]
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