霊能力者として人気を集めた宜保愛子(ぎぼ・あいこ)さんが03年5月6日午前10時28分、胃がんのため都内の病院で死去していたことが9日、分かった。71歳だった。親族によると「限りなくひっそりと静かに旅立ちたい」という宜保さんの遺言に従い、親族のみの密葬を行ったという。
宜保さんは、90年ごろにテレビ番組に出演し、ビートたけしら著名人の過去を次々と的中させたことで一躍時の人となった。その後も出演番組のほとんどが高視聴率を記録する人気者となったが、ブームには「私は普通の主婦なので」と当惑ぎみだった。著書「霊視の世界」「死後の世界」がベストセラーになり、全国で講演活動も行った。92年には推定所得1億4000万円で高額納税者の仲間入りも果たした。テレビ番組での超能力者ユリ・ゲラー氏や“インドの聖人”と呼ばれたサイババ師らとの対面も話題を集め、エジプトのツタンカーメン王、ナポレオンの霊と会話したり、搭乗した飛行機の計器が狂ったなど逸話も残した。
その一方で、93年、早大大槻義彦教授に「バカバカしいほどインチキ。科学的根拠がない」と批判され、霊能力を疑問視する声も強まった。各方面から激しいバッシングを受け、約5年間、テレビ出演から遠ざかった時期もあった。
今年1月、宜保さんの最後の著書となった「宜保愛子の霊がよろこぶ法事・仏壇・お墓の供養」が出版された。日東書院の担当者は「けさ(9日朝)家族から(死去の知らせを)聞いて、驚いています。昨年暮れ宜保さんと食事したときは、元気そうでしたが、今年1月に次の出版の話をするため連絡すると『腰の調子が悪いのでしばらく休みます』との返事でした。入院も、胃がんだったことも知らなかった」と話した。