長泉、上を向くお笑い芸人集団
<目指せ!119校の頂点>
上を向いて歩こう。長泉はどんなピンチにも下を向かない。学校の移転が決まり、来年度からは新入生も来ない。野球部も3年後にはなくなってしまうが、「お笑い芸人集団」のノリと明るさで、逆境をチャンスに変える。
キャッチボールをしながら、世間話がはずむ。長泉では選手間の会話を奨励している。奥辻敬一監督(23)は「とにかくしゃべれ、って言っているんです。夏のあの雰囲気の中では会話でつないでいかないと。それに楽しくやることが何よりですからね」と、会話の重要性を説明する。
それまでは、雰囲気の良しあしの差が激しいチームだった。リードされると下を向いてしまうこともあった。練習中に会話を頻繁にするようになってから、試合中に暗いムードになることはなくなった。エースの浅倉康秀投手(3年)は「バックの雰囲気が良くて投げやすくなりました」と効果を実感する。
明るい雰囲気づくりには真剣に取り組んでいる。野球の練習後には、ネタの練習に励む選手もいる。粕谷裕太主将(3年)は十八番のビートたけしの物まねを練習をしては披露し、笑いをもたらす。「お笑いのセンスは部室の裏で磨いています」。みんなで集まって雰囲気づくりを考えることが、お互いの信頼関係にもつながっている。
長泉にはもう新入生は入ってこない。3年後には野球部も消滅する。1年生が6人しかいないため、甲子園を目指せるのはあと2年かも知れない。そんな厳しい状況でも、決して下を向かない。粕谷主将は「後輩を応援することができなくなっちゃうことは寂しいけれど、この3年で甲子園に行けるように盛り上げていきたい。まずは僕たちが結果を残したい」。悲壮感はない。どこまでも明るく、夏を迎える。【竹内智信】
[2005/6/19/11:33 紙面から]
写真=長泉ナインはお笑い芸人集団だ
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