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2004/06/07
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心を向ける場所
週刊サッカーマガジン副編集長:平澤大輔
僕だって、たまには真面目なことを考えてみたりすることもある。
この前、大学時代にお世話になった先輩に久々に再会した。ある日突然、メールが来て、02年ワールドカップ以来、すっかりサッカーに「はまっている」のだと書いてあった。僕がサッカーにかかわる仕事をしていることを思い出して連絡をくれたのだ。この「ある日、突然」感が、僕は好きだ。「じゃあ、飲みましょうよ」ということで、数年ぶりの再会が実現した。場所はもちろん、学生時代によく飲み歩いていたあの町の、あの店だ。
子供のころからボールを追いかけてきた僕にとって、サッカーがいわば「古女房」なら、先輩は「新妻」か。そのギャップから来るさまざまな感想の違いが、とても面白い。
話があちこちに飛びながら、先輩が言った。「サッカー選手って若いうちから結婚して家庭を持って、すごいよね」。彼らの精神年齢の高さに感心しきりなのだという。
いつもなら当たり前のこととやり過ごす僕にとっては、なかなか興味深い視点だった。
そういえば、選手たちは両親や自分の家族に対する気持ちを自然に、何度も言葉にする。日本の社会一般では、なかなか照れが入って口にしにくいことだ。ヨーロッパや南米など海外の選手のインタビューでは、その表現の仕方がより鮮明になってくる。両親のために、子供のために、妻のために…。習慣の違いと言えばそれまでだが、そうした「心を向ける場所」をしっかりと持っていることが、とてもうらやましくなるときがある。
大げさに言えば、そういう気持ちがいろんなことを変えるきっかけになると思う。日本社会はいま、確かに歪んでいる。そこに端を発した悲しい出来事がたくさん起こっている。でも、「家族を思う気持ち」が、それを改善する第一歩になるとしたら…。
現実はそう簡単なものではないのだろうけれど、サッカーにはそうした力が含まれていると、僕は思う。
平澤大輔(ひらさわ・だいすけ)
1970年5月15日、東京都生まれ。93年ベースボール・マガジン社に入社し、週刊サッカーマガジンに配属。以来、サッカーマガジン一筋。94年アジア大会、96年アジアカップ、98年ワールドカップ、00年シドニー五輪、02年ワールドカップなどを取材。横浜M、V川崎(ともに当時)、浦和、京都などの担当を経て、現在は鹿島担当。99年から副編集長。
◇昭和45年会 選手やマスコミなどの垣根を取り払って集まって結成されている懇親会。会長は名古屋DF秋田豊。昭和45年生まれが原則だが、多少の前後は認めている。特に女性会員については、年齢未公表の人が多いため(怖くて)確認できない。
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