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2004/07/19
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対岸の火事なのか?
フリーライター:小齋 秀樹
プロ野球界では、オリックスと近鉄の合併案が明らかになって以来、構造
改革が進みつつある。西武の堤オーナーがもう1組の合併を示唆したこと
で、その流れは急速なものとなっている。その流れの終着点次第で生活が左
右される選手たちは、しかしながら、蚊帳の外に置かれている。
先日、テレビのスポーツニュースを見て、失笑してしまった。
選手会会長であるヤクルト古田敦也選手がオーナーたちと話したがってい
るが、との質問を受けた某オーナーは次のように答えたのだ。
「無礼なこと言っちゃイカンよ。分をわきまえなさい」
サッカー選手に比べかなりの高額年俸をもらっている野球選手たちにはあ
まり同情は湧かないが、野球ファンはかわいそうだなと思った。自分自身が
分をわきまえていない人物がプロ野球界のトップに居座っているのだから。
プロ野球各球団は企業の広告塔であり、Jリーグのクラブとは経営理念が
異なる。だが、我々サッカーファンは対岸の火事として安穏と見やっている
わけにもいかないだろう。
「まさかW杯に初出場した年に、あんなことになるとは、信じられなかっ
たね」。
アルビレックス新潟の山口素弘はかつてそう語った。「あんなこと」と
は、もちろん、横浜フリューゲルスの件だ。
そして、第2のフリューゲルスが生まれる可能性は依然としてある。
多くの人が気づいていることとは思うが、Jリーグの人気チームの分布を
見ると特徴がある。同じ地域にプロ野球チームがないこと、そして、Jのチ
ームもないことだ。残念ながら、ダービーマッチの存在を支えるほどには、
日本のクラブチームは人々の日常生活に溶け込んでいない。
フランスで、「クラブと住民の関係」がディスプレイされているのを見た
ことがある。それは、あるクラブのスタジアムに隣接するファンショップだ
った。壁際に陳列される商品のカテゴライズが独特で、衣料や小物といった
商品の種類ではなく、年齢別に分けられているのだ。哺乳ビン、乳母車、小
さなユニフォームなど幼児向けのコーナーから始まり、時計回りに進むと商
品の対象年齢も上がっていく。就学時期の子供のコーナーには、文房具セッ
トやランチボックスが置かれ、成人向けのコーナーにはネクタイ、名刺入
れ、ワインなどが並ぶ。すべての商品にはクラブエンブレムがあしらわれて
いる。まさに「ゆりかごから墓場まで」というやつだ。そして、そのクラブ
はフランスで1、2を争う人気チームというわけではないのだ。
日本で最も人気のあるチームはどこか?
新潟でも、浦和でも、仙台でもない。日本代表だ。
代表にしか興味のない人たちに、どうやってクラブの方を向いてもらう
か。これは、クラブはもちろん、選手、各地元メディア、サポーターが協力
し、努力していくべきテーマだろう。
小齋 秀樹(こさい・ひでき)

1970年12月18日、仙台市生まれ。早大法学部卒業後、編集プロダ
クション勤務を経てフリーランスに。「Sports Graphic N
umber」「SPORTS Yeah!」等を中心にサッカーの記事を執
筆中。著書に、浦和レッズのJ2シーズンを追った「Goalへ−浦和レッ
ズと小野伸二」(文藝春秋)がある。
◇昭和45年会 選手やマスコミなどの垣根を取り払って集まって結成されている懇親会。会長は名古屋DF秋田豊。昭和45年生まれが原則だが、多少の前後は認めている。特に女性会員については、年齢未公表の人が多いため(怖くて)確認できない。
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