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「食べちゃうぞ!対戦国」

〜第9弾・オマーンの巻〜

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オマーンが生んだ神の食べ物

 W杯アジア1次予選の最大の難関、アウエーでのオマーン戦のため、オマーン料理を食べよう! と思ったところ、日本にはオマーン料理レストランがないじゃありませんか。しかし、藍田葵はあきらめず、調査を続けたところ、オマーン人に欠かせない「秘密の食べ物」を見つけることに成功しました。その食べ物は「デーツ(日本名ナツメヤシ)」。砂漠のオアシスなどに生い茂るナツメヤシの実で、古来からアラブ諸国で「神の贈り物」として扱われてきた栄養満点の食べ物です。

 デーツは、ペルシャ湾沿岸の乾燥地帯が原産とされるヤシ科の高木。♪名も知らぬ〜、遠き島より〜という島崎藤村作詞の「椰子の実」のヤシの一種で、長さ3〜7センチ、直径2〜3センチの楕円形の明るい黄色の実がなります。「デーツって何?」と思う方は多いと思いますが、お好み焼きソースなど調味料の材料として使われているため、大半の日本人が知らず知らずのうちに口にしているのです。柿のような味で栄養価が高く、生で食べるほか乾燥品があります。果物やお菓子としてだけでなく、ジュースやお酒など、加工品にも適しています。

 今回は、デーツの輸入販売業を行っている(株)アルトから乾燥デーツ、デーツ酢、デーツシロップを、無添加・手作りケーキの通信販売を行っている(有)実生企画から、デーツのケーキを3種類購入。社内でチャコ、グリ、カリンと一緒にデーツ三昧! といきました

<本日のメニュー>
◆乾燥デーツ
乾燥デーツ
乾燥デーツ
 デーツの実を天日で乾燥させたもの。見た目は乾燥プルーンのような感じで、中に割りと大きめの種が入っている。味は干し柿や黒砂糖のような感じ。この甘味は天然のブドウ糖と果糖によるもので、砂糖その他の甘味料は一切含まれていないという。

 しかも甘味は砂糖の1.5倍、エネルギー効果は3倍あるため、砂糖の摂取を制限されている人の甘味料として最適。電子レンジなどで少し温めると、甘味が増し、すごくおいしい。防腐剤を使わずに何日も保存でき、無添加。鉄分、ミネラル、ビタミン、食物繊維が豊富で食べてもそれほど太らない。まさしく天然の美容食なのだ。

 今回は、カラスとファードという種類を食べてみた。カラスの方が、少し薄い茶色。グリは「カラスよりファードの方が、甘味が高くおいしかった。砂糖の甘さとは違う果実のもつ自然の甘さを感じた」とご満悦。
◆デーツシロップ 
デーツシロップ
 今回は、クラッカーにつけて食べてみた。ビン入りシロップは、プルーンシロップと同じようだが、チャコは1人で「桃屋の『ごはんですよ!』のお得サイズにそっくりだ」と興奮していた(こんなでかいお徳用サイズが存在するのかは不明)。

 シロップのとろみ、色はプルーンそのものだが、香りと味はそれよりもさらに濃厚で甘味が強い。藍田はその後、毎日、プレーンヨーグルトにスプーン1さじ混ぜ合わせて食べているが、それでもかなり甘いヨーグルトになっている(この効果か、お通じ抜群!)。

 最近、オマーンの工場が閉鎖されてしまったため、このシロップはオマーン産のデーツを使ってインドで製造されたもの。ビンのラベルには男の子の写真がプリントされていた。グリは「男の子の写真は昔のミロ(麦芽飲料)を思い出して懐かしい感じ」。
◆デーツ酢
デーツ酢
 デーツの実と選りすぐりの天然ミネラル水を使い、日本国内で醸造。添加物を一切加えていないピュア・ビネガー。今回は酸味を抑えたものを購入したため、黒酢のような強い匂いもなく、味も口当たりもまろやか。ミネラル水で薄めて飲んだが、飲みやすかった。バーモント酢のように牛乳で割って飲めば、子供にも受けること間違いなし!

 藍田は過去何度も「お酢ダイエット」に挑戦しながら、どうもあの鼻につく匂いに負けて続けられなかったのだが、これなら続けられるかも…と期待を抱かせてくれる一品。同感したのか、チャコは「1ビン、一気飲みも可能」と言っていた。しかし、コップにほとんど口をつけていなかったのはなぜ?
◆ナツメヤシのケーキ
ナツメヤシのケーキ
 無添加・手作りケーキの通信販売、実生企画が販売しているケーキ。カラスという最高級のナツメヤシを使ったもので、干し柿に似た味と食感がある。使われるデーツは、焼く直前まで種もへたもくっついたまま自然の形で保存されるため、栄養価も高いまま。日本人好みの味。実生企画の御厨さんは「食べるときは、8ミリぐらいの幅に切って食べるとおいしいですよ」とアドバイスしてくれたが、すでにケーキに8ミリ等間隔の筋がつけてあり、心遣いに感激。手作りケーキの温かさを感じた。
◆エリザベス皇太后のデーツのケーキ
エリザベス皇太后のデーツのケーキ
 アルザイズという種類のデーツを使い、御厨さんがエリザベス皇太后のケーキのレシピを再現したもの。砂糖を減らし、重曹も使わず、ベーキングパウダーも使わずに焼いた懐かしいイギリス風のお菓子に仕上がっている。見た目は3種類のケーキの中で最も濃い茶色で、黒糖のような味が強い。口当たりはちょっとぼそっとしており、素朴さが際立っている。少量ずつ毎日食べたい味。
◆ダイアナのケーキ
デーツのケーキ(ダイアナ)
 こちらもアルザイズを使ったケーキ。見た目はエリザベスよりも薄い茶色で非常にしっとりとした生地。デーツの濃厚な香りがする。生地に、デーツの細かい繊維が入っており、かなりデーツが練りこんであると思われる。ウイスキーなどお酒と食べても、合いそうな感じ。藍田は3種類のケーキの中で、ダイアナが1番のお気に入りだった。
おいしい自腹金額

今回
5510円

通算
3万4837円

 今回は乾燥デーツ、酢、シロップの購入で自腹額は計5510円。ケーキ3種類は、実生企画のご厚意で無料でいただきました。

 また、ネット購入はこちらからできます。
(株)アルト  http://www.arto.co.jp/each.html
(有)実生企画  http://www.mikuriya.co.jp/


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毎食並ぶデーツ、驚異の栄養価

遠藤晴男氏
中東研究家の遠藤晴男氏

 オマーンの一般家庭の主な食生活について、中東研究家の遠藤晴男氏とオマーン人と結婚された依藤比佐子さんに聞いてみました。

<朝>
 パン(市販のものか、インド風の平べったいチャパティ)、紅茶、タマゴ、チーズ、ジュース等。塩茹でしたそら豆、シーウイーヤ(細いパスタを油と砂糖で炒めて煮たもの。ビーフンに似たもの)。
<昼>
 メーンは大抵カレー(魚、肉、野菜など色々)。カブーリ(肉、ナッツ、レーズンが入ったブリヤニ風ご飯)。スープ(豆や魚)。肉や魚のグリル、サラダなど。主食はご飯かオマーニーブレッド(乾燥した薄いクレープ状のパン、各家庭で作る)。
<夜>
 豆のスープやサンドウィッチ、マカロニ、ハンモス(ヒヨコ豆のペーストに練りごまやオリーブ油、レモン等で味付けしたものをパンで食べる)。
<ラマダン特別料理>
 春巻き、サモサ(小麦粉の皮にひき肉と野菜の刻んだものを包んで揚げたもの)、ポテトコロッケのようなもの。スープ、野菜の肉詰めなどなど。

 右の表が一般的なオマーン人の食事内容です。この中で毎食、食卓に並ぶのがデーツなのだそうです。オマーン料理はレパートリーが少なく、味も単調、高カロリーで低ビタミンともいわれますが、そういった食生活の中で、オマーン人の栄養を支えてきたのが、デーツなのです。

 映画「アラビアのロレンス」の中で、ロレンスよりも何分も前に、砂漠の地平線の彼方から向かってくる人を見つけ、敵か味方かを判別する遊牧民が登場したのを覚えているでしょうか。砂漠の遊牧民ベドウィンは、何キロ先までも見通せる驚異の視力の持ち主。彼らが厳しい砂漠で生活できたのは「デーツとラクダのミルク」があったからこそです。

 中東や欧米では日常的に親しまれているデーツですが、日本ではあまり知られていませんでした。ようやく最近、アルトなど輸入業者も増え、少しずつ知名度が上がりつつあります。また、デーツの木は意外にも日本国内にもあります。その一例が宮崎県のフェニックス通り。御厨さんによると「私の知人は夜、シーツと枕カバーをもって行き、木を蹴飛ばして落ちた実をシーツに受け止め、枕カバーに詰めて背負って帰るそうです」とマル秘情報を教えてくれました。


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オマーンのサッカー

オマーンサッカーの歩み
▽78年 サッカー協会設立
▽80年 FIFAとAFCに加盟
▽90年 W杯予選に初参加
▽94年 U−16アジアユース選手権3位
▽95年 U−17世界選手権エクアドル大会で4強入り(アル・カシリが5得点を挙げ、得点王とMVPを獲得)
▽96年 U−16アジアユース選手権優勝
▽97年 U−17世界選手権エジプト大会で決勝トーナメント進出
▽01年 チェコ人監督のミラン・マチャラが就任。A代表やU−23代表も力をつけてきた
▽03年 アジア杯予選で韓国を3−1で破る
▽04年 アテネ五輪最終予選では、得失点差で出場権を逃す

 オマーンは、10月13日の日本戦を「歴史に残る一戦」と位置づけ、1次リーグ突破に向けて必勝態勢を敷いている。  01年からチームを率いるチェコ人のミラン・マチャラ監督は「日本戦はオマーンのサッカー史に刻まれる試合になる」と自信を見せている。2月のW杯アジア1次予選で0−1で惜敗。7月のアジア杯1次リーグでも0−1と敗れたものの、2戦とも日本を苦しめており、勝機はあると見ているようだ。10月7日か8日に、イラクかレバノンと調整試合を行う計画もある。

 現在の代表選手の平均年齢は約21歳で、「マチャラ・キッズ」と呼ばれる。2月の埼玉での対戦時には、国外組はノルウェーのリンでプレーするGKアルハブシだけだったが、現在は7人に増えた。DFアルナウファリ、FWアルマイマニ、アルホスニがアルリヤド(サウジアラビア)、DFアルヌービがアルワハダ(サウジアラビア)、DFアルラカディ、MFジャンダルがアルナスル(クウェート)入りした。周囲の中東諸国から実力が認められた証明で、プロリーグのない国内リーグに比べ、年収などの待遇面が上がり、選手のモチベーションも上がっている。

 チェコ代表をはじめクウェート、サウジアラビア代表監督などを歴任したマチャラ監督は、強化合宿を繰り返し、選手と生活をともにすることで選手1人1人を知り尽くし、信頼も厚い。現在FIFAランクは50位(日本は18位)。

 オマーンの国内リーグは、アマチュアリーグで3部まであり、トップリーグは15チームで編成されている。日本戦が行われるスルタン・カブース・スポーツ・コンプレックスは日本でも5指に入るほど設備の充実したスタジアム。試合当日は、アラブ特有の「ディスターシャ」と呼ばれる白い服をまとった男性が数多く訪れることになるだろう。同国のサッカー人気は男性中心だが、少数ながらスタジアムに駆けつける女性もいるという。


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★オマーン・トリビア★
 商工省顧問などで過去2度オマーンに駐在、同国のことを肌で知っている遠藤氏に日本との関係について教えてもらいました。
<日本への輸出>
 石油、天然ガス、デーツ、魚、インゲン豆など。日本で売っているインゲン豆の9割がオマーン産。
<王室に日本の血>
 カブース国王の叔母にあたるブサイナ姫は、日本人女性とのハーフ。
<日本庭園>
 マスカットには、日本庭園がある。一方、日本のバラ園に国王の名をとって開発された「スルタン・カブース」というバラがある。
<日本に似てる?>
 家では靴を脱ぎ、床に座る。米を食べる。大家族主義、長幼の序、娘の純潔(でなければ、親や親類に殺される)など、戦前の日本に似ている部分も。
<あいまい>
 YES、NOがあいまい。相手をおもんぱかり、面子や名誉を立てる国柄だから。また、何かを決定する時にはコンセンサスが基本。
<価値観>
 武士道と義理、人情、浪花節が通じる国。かつてサッカー日本代表が中東遠征を行ったときのこと。日本の食材を調理させてくれるホテルを探したが、どこの国も断る中、唯一、ホテルを提供してくれたのがオマーンだったという。いい国だなあ…。

オマーン国(Sultanate of Oman)

地図

 シンドバッドの国。アラビア半島の南東部を占めるオマーンは古くから、アラビア半島随一の規模を誇ったソハールの港を拠点としてアフリカから中国にかけて広範囲の交易が行っていた。「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」に語られた船乗りシンドバットはソハールの港から出港したとされている。海のシルクロードをまたにかけた船乗りたちの伝説は、当時のオマーンの隆盛ぶりを今に伝えている。

 アラビア半島で日本に一番近い場所に位置するアラブの国。国土は約31万平方キロメートルで日本の約4分の3の広さ。人口は約233万人(03年末)。

 首都はマスカット。人種はアラブ人で公用語はアラビア語だが、英語も広く通用する。宗教はイスラム教でイバード派が主流。時差は日本時間マイナス5時間。1970年にカブース国王が即位し、保守的な鎖国政策から開国政策を展開、現在の国の基盤を築いた。

 気候は、海岸地区、内陸部で違うが、マスカットのある海岸部は高温多湿で雨が年に数回しか降らない。一夫多妻制だが、最近は富豪層か貧困層を除けば、一夫一妻。ちなみにカブース国王は、小泉首相と同じく独身。女性が外に出てはいけないというアラビア諸国の中では、女性の躍進が目立ち、3人の女性大臣がいる。

 他のアラブ国よりも街がきれいで、対日感情は抜群。文化遺産の保存や環境問題の取り組みにも積極的。アルブスタン・パレスホテルという中東NO・1のホテルを持つ近代的な国である。

 日本とのつながりは意外に古く、奈良時代から。中国経由で日本にオマーン産の「乳香」が入ったのが始まりだった。乳香とは、乳香の木の樹液が固まった芳香性の樹脂。古代エジプト、メソポタミア、インドでは宗教儀式に利用され、薫香として珍重された。古代ギリシャのヘロドトスも著書で乳香に言及、ローマ皇帝ネロは愛妻の死に年間生産量以上の乳香を焚いたという。乳香は薫香のほかに薬、麻酔、魔よけなどにも使われる。産地であるオマーンのドファール地方はこの乳香貿易で紀元前2000年ごろには栄えていた。現在では価格面では庶民化しているが、シバの女王がローマやギリシャに輸出していた往時は、金の価格と同等だったという。


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