なでしこジャパンに再び会いたい!
北朝鮮を破っての五輪出場権奪回から始まった「なでしこジャパン」の快進撃は、今夏のアテネ五輪でも初勝利、決勝トーナメント進出と続き、準々決勝では金メダルの米国と互角以上の戦いを演じてくれました。日本のサッカーファンに女子サッカーの成長ぶりを大きくアピールしてくれた彼女たちは今、「なでしこリーグ」という愛称をもらったLリーグの各チームに戻って、次の目標へ奮闘しています。
でもLリーグっていつ、どこでやっているの? どんな応援をしているの? テレビ中継もほとんどないだけに情報は不足気味。それじゃ直接行動だ! 「Lリーグに行こう!」。(今回の情報は10月3日時点のものです)
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駒場のレイナス戦に行ってきました!
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| 大雨の中、1500人の観衆が声援を送る
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思い立ったら考えるよりも先に動く! すぐに日程を調べると、10月3日にレッズの本拠地でもある駒場スタジアムで「さいたまレイナス」と「伊賀FCくノ一」の対戦を発見。なでしこジャパンGK山郷のぞみとMF安藤梢を擁し、地元開催の国体も制するなど好調を維持するさいたまと、DF山岸靖代が主将を務め、出産準備のため戦列を離れたものの唯一既婚で代表入りしたMF宮本ともみが所属していた伊賀。好カードです。取材はこの試合に決定!
しかし、当日は…。前日までの晴天がウソのように朝から大雨。一抹の不安を抱えながら会場の駒場へと向かいました。
雨にも負けず応援!選手もずぶぬれで奮闘
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| 選手も水しぶきを上げながら奮闘
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この日はJサテライトリーグの「さいたまダービー」浦和−大宮との共同開催。先に行われたこの試合には両チームのサポーターが集結。雨でバックスタンド1階席の屋根がある部分にほぼ全員が集まったこともあり、歓声は大きくスタジアムに響いていました。「試合後に帰っちゃうんじゃ…」という心配は杞憂に終わり、1500人のサポーターが残って声援を送りました。
強い雨が降り続く中、選手たちも奮闘しました。ピッチには水たまりができ、パスが通る位置によってはボールが止まってしまう難しいコンディション。ボールを競り合い、ぶつかると足下が緩いこともあり水しぶきを上げながらピッチに転倒してしまいます。前半にさいたまが4点をリードし、後半の緊張感維持ができるかと心配しましたが、後半は伊賀が意地を見せて怒とうの猛攻。2点を返すとともに、さいたまのシュートを0に抑えました。ロスタイムまで攻撃の手を緩めない姿に、スタンドのサポーターも最後の最後まで緊迫感のある表情で試合を見つめ、声を上げていました。
「女の子のサッカー」なんてなめてる人がいたとしても、スタンドで直接見れば考えは変わるはずです。Jリーグとは違う「気」のようなものがピッチから伝わってきました。
ひたむきさに感動!サポーターが語る魅力
実際にスタジアムで応援していたサポーターの方にも声を聞いてみました。
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| 越谷の応援団のほかにも、伊賀サポーター本隊が大きな声援。大阪から駆けつけた熱心なサポーターも。彼が運営する私設応援HPは公式ページかと思うくらいに充実していました
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アウエーの伊賀を応援する集団を発見。三重からはるばる来たのかと思いきや、おそろいの帽子には「KOSHIGAYA」の文字が…。「国体で地元の公民館で合宿していたので親近感があって、みんなで応援に来ました」と話すのは埼玉県越谷市の小倉繁さん(54)。その縁でファンが増えた。国体でも応援班のメンバーだった内山ミドリさん(57)は「女子サッカーは初めて見たけど、力の入った試合で女でもあれだけできるんだと驚いた。選手のみんなのさっぱりした人のいい性格もあって、その後はLリーグの試合結果も気になります」と話す。
ホームのさいたま側にはレプリカユニホームを着たサポーターが…。五輪予選の北朝鮮戦をきっかけに見に来るようになった人たちが、その魅力にとりつかれ、毎試合数を増やしているそうです。「とにかくアットホームです。この前も山郷選手のお母さんが隣に座っていてビックリしました」と魅力を教えてくれました。
このとき話を聞かせてくれたメンバーは、「居酒屋 食事処 なか里」で交流しています。そしてこの交流にはときには選手も混じることも…。マスターの中条登さん(57)によると「練習後によく来てくれるうちに親しくなり、今では家族のように感じています。試合に勝ったときなど、わざわざ立ち寄って報告してくれたりもします。彼女たちも故郷を離れての生活だから、来てくれたときにはスタミナのつくものをサービスしますが、それも自分の子供のように感じるから。お店でも和気あいあいと話していますよ」と教えてくれました。
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| 雨中の激闘
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スタンドで話を聞くうちに、みなさんに共通するのは「競技や勝負に対するひたむきさがいい」という声でした。レイナスのボランティアとして試合運営を手伝っている島崎忠さん(49)も女子サッカーとレイナスの魅力を教えてくれました。
「一生懸命、けなげさ、ひたむきな心があります。レイナスは大きなスポンサーがない市民クラブです。選手も仕事で勤務時間を優遇されることなく、ちゃんと働いたあとに練習しています。選手の話を聞くと家賃を節約するために2人で住んで自炊しているとか。でもそんな逆境を跳ね返して強くなったのも魅力ですね」
プロのようにプレーへの金銭的見返りがない中、ただ競技での達成感を求めて頑張る姿に心を打たれた…。選手の「気持ち」そのものが魅力になって、サポーターたちを引きつけているのです。
◆居酒屋食事処「なか里」 さいたま市中央区新中里3−17−4。電話048・824・6659。水曜定休。ランチが午前11時から午後2時、夜は午後5時から11時まで。レイナスが優勝した際は祝賀会を開催するとのこと。選手のみなさん、頑張ってください。
Lリーグのお作法
Lリーグ観戦について、さいたまレイナス事務局の吉田浩部長に聞きました。
1.入場は無料
入場料はなんと無料! くまたろうも知りませんでした。不勉強ぶりを反省…。この日のようにJサテライトやJ1などとの共催の時には、Jの試合は有料になりますが、Lリーグのみ観戦なら無料です。
2.応援はメーンスタンドで
くまたろうの取材日はサテライトとの共催だったので、バックスタンドが開放されましたが、普段はメーンスタンドになります。Jリーグのようにゴール裏ではありませんが、無料なのに特等席で見られるなんてお得な気分…。
3.鳴り物は禁止
公営のグラウンドでの開催が多く、スタジアムのすぐそばが民家(駒場もそうですね)ということもあり、鳴り物は禁止です。「レッズのように歓声が大きくて、それにかき消されるならいいけど、人が少ないと目立って響くんですよね…」と吉田さん。でもいつか、満員のスタンドでJリーグ以上の声援が起きる日を目指して、運営に広報に頑張ってくださいね。
ファンサービス&グッズも!
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| グッズの売店ではボランティアとレイニータの選手が新商品のタオルマフラーを大アピール
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アマチュアのLリーグは、グッズの数ではさすがにJリーグには及びません。それでもさいたまレイナスは、販売しているグッズの数が多いチームです。取材日に売られていたのは…。
1.レプリカユニホーム(1万2000円、後援会会員は1万円)
2.Tシャツ(M、L、XL各2000円)
3.チームフラッグ(大4500円、小2500円)
4.タオルマフラー(1500円)
5.シューズケース(600円)
6.応援歌CD(1200円)
7.ステッカー(200円)
チームグッズではないけれど、選手の顔写真入り名鑑になっているLリーグのプログラム(1000円)も人気商品です。レイナスの主催試合に行けない人は、ホームページ(http://www.reinas.gr.jp/)からも購入できるそうなので、チェックしてください、
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| 抽選券付きのメンバー表
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さらにレイナスのホームゲームでは入場無料なのに、ファンにプレゼントがあります。抽選券が配られ、ハーフタイムに当選発表。1等は全選手のサイン入りのLリーグ公式試合球。他にもフラッグ、Tシャツ、トレーディングカードなどがもらえます。特に非売品のトレーディングカードが大人気だそうです。非売品でサインが入っていれば、本当にレアものになるもんねぇ。
抽選以外でも試合終了後に選手がスタンドにサイン入りのミニボールを投げていました。選手の奮闘で燃えて、楽しんで、そのうえお土産ももらえる! お得すぎるLリーグです。
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試合日程はLリーグ公式ページで
試合日程はLリーグのホームページ(http://www.l-league.jp/)でチェックできます。7月30日に開設されたばかりとは思えない充実ぶりで、各チームの選手やスタッフによるコラムが掲載され、プライベート写真も見られるという役に立って、そのうえLリーグへの親しみが増すページになっています。
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今季から1部(L1)2部(L2)制導入
<Lリーグとは>
◆チーム
L1の8チームとL2の6チームの全14チームが所属。2部制になったのは今季から。
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◇L1
- YKK AP 東北女子サッカー部フラッパーズ
- さいたまレイナスFC
- 日テレ・ベレーザ
- 大原学園JaSRA女子サッカークラブ
- 伊賀フットボールクラブくノ一
- スペランツァF.C.高槻
- 宝塚バニーズレディースサッカークラブ
- TASAKIペルーレFC
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◇L2
- ASエルフェン狭山FC
- ジェフユナイテッド市原レディース
- アルビレックス新潟レディース
- 清水第八スポーツクラブ
- 岡山湯郷Belle
- ルネサンス熊本フットボールクラブ
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※L1のYKK AP 東北は来季からの東京電力移管と福島への移転が決まっている。
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◆大会形式
L1は8チームの2回戦総当たりリーグ戦、L2は6チームの3回戦総当たりリーグ戦。
◆L1とL2の入れ替え
L1の最下位は翌シーズンにL2降格。L2優勝チームは同じくL1に昇格する。
◆歴史
- 1989年 6チームで発足。
- 1991年 10チームに増える。
- 1993年 前後期制を導入。
- 1999年 8チームに減少。
- 2000年 9チームを東4、西5に分け1次リーグを実施後に、上位4チームと下位5チームによる決勝リーグを行う新方式を採用。
- 2001年 再び10チームに。
- 2002年 11チームに増加。
- 2003年 13チームに増加。2部制移行に伴い、L1参入決定戦も実施。
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広がれ!サッカーの魅力
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| 入場口でメンバー表と抽選券を配るのはレイナスの下部組織、レイニータの選手たち。彼女たちやボランティアの力も試合運営の大きな力になっているようです
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恵まれない環境でも、好きなサッカーを盛り上げたい…。今回も選手、スタッフ、サポーターの熱い気持ちに触れることができました。1989年に発足したLリーグも、不況の中でいくつものチームが消え、スポンサーの支援を失うチームが続出しました。でもそんな中で、自分のすべてをかけて挑戦し続ける人がいたから、現在のなでしこジャパンやLリーグがあるのだと思います。かけているものが違うから、観戦して、その気持ちが分かったサポーターたちはとりこになるのだと言います。これからも可憐に見える「なでしこ」が、見かけとは違う力強さで伸びていくイメージが頭に残りました。
突然ですが、選手と身近に接することができる場所を案内するこの企画も今回が最終回になります。それぞれの場所の魅力を伝え切ることができたか不安な部分もありますが、TVや試合会場だけでは分からない、たくさんのサッカーの魅力に触れることができたことは、くまたろうにとっても大きな財産になりました。爆発的なブームにならなくても、選手やチームの努力と、ただ見るだけではないサポーターの強力があれば、この魅力はさらに大きく広がると思います。
これまで取材に協力していただいたみなさまにお礼を申し上げます。そして、このコーナーにおつきあいいただいた読者のみなさま、本当にありがとうございます。新編成になるメルマガ編集室のスタッフが、さらに面白い企画を出してくれるはずですので、これからもご支援をよろしくお願いします。以上、くまたろうの「グラウンドの歩き方」でした。
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