東アジア選手権も延期…代表強化日程崩壊
ジーコジャパンが、新型肺炎(SARS)に直撃された。東アジアサッカー連盟は15日、SARSの影響を懸念し、28日に開幕予定だった東アジア選手権(横浜国際)の延期を決定。ジーコ監督(50)率いる日本代表にとって、イラク戦争による3月の米国遠征中止に続く2度目の大打撃となった。6月11日のキリン杯第2戦の対戦相手も決まらないまま、今年最大の目標であるコンフェデレーションズ杯(6月18〜29日・フランス)へ向けて強化日程の大幅修正を強いられる。
ジーコ監督は何度も唇をかんだ。「ブラジルのことわざにもあるが、逆らってもいい結果は得られない。流れに任せる」。開幕まで2週間と迫った時期での、SARSによる東アジア選手権の延期。「世界情勢は目まぐるしく変わり、日本だけが影響を受けているのではない。残念だが、前向きに考えるしかない」。あきらめ顔だったが、視線は下を向きがちだった。「早くワクチンが発見されることを望むよ」と本音も出た。
東アジア選手権にかける期待は大きかった。昨年7月の就任以来、初めて公式タイトルのかかる大会。中国、香港、韓国の集う同選手権優勝で勢いに乗り、今年最大の目標のコンフェデレーションズ杯に乗り込むつもりだった。来秋始まる06年W杯予選のためにも、ライバルとなる東アジア勢との試合は貴重だった。
代表21人の発表は22日で変更はない。25日から合宿も予定通りに行う。「現状で、いいものを引き出すしかない」というジーコ監督は、平田GS(専務理事)に期間中に親善試合を組むことを要求した。この日、発表を受けた韓国協会は単独での日本戦実現を目指すことを決めた。期間中に日韓戦だけ行われる可能性もあるが、同監督は「合宿の真ん中での試合が望ましいが、協会もいきなりでは難しいだろう」と話した。
3月にはイラク戦争によって米国遠征が中止になった。ウルグアイ戦だけは国内で開催したが、米国戦は流れた。今回の延期で計4試合がなくなる。さらに6月11日のキリン杯第2戦も雲行きが怪しい。決まっていたポルトガル戦はSARSのために中止、代替のナイジェリアからも同様の理由で来日を拒否された。今年コンフェデ杯前まで8試合予定されていた試合が、最悪3試合だけになる。
平田GSは「強化日程が大幅に狂う。現場に大変申し訳ないと思う。現状ででき得る最大限の努力をしたい」と話した。川淵キャプテン(会長)も「強化にとって、いい結果につながらない」と悔しがった。懸念されるのは、今後への影響だ。「日本が(欧米からSARS感染国だと)誤解されることは否めない」と平田GSは頭を抱えた。
「前向きに考えたい。日本だけではなく、世界情勢は目まぐるしく変わる」。ジーコ監督は先を見ながら話した。しかし、SARSがいつ収束するのかは「神様」でも分からない。この状態が長引けば、今秋以降の日程にも影響が出る。対外試合を強化の柱に考えるジーコ監督が、ピッチ外の強敵に翻弄(ほんろう)されている。【飯田玄】
[2003/5/16/09:08 紙面から]
写真=大会の延期について日本代表ジーコ監督は「前向きに考える」と言いながらも表情は暗かった(撮影・宇治久裕)
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