日本敗退に「ジーコ辞めろ」/コンフェデ杯
<コンフェデレーションズ杯:日本0−1コロンビア>◇22日(日本時間23日)◇サンテティエンヌ◇1次リーグA組2試合
日本代表が痛恨のミスに泣いた。引き分けでも目標の1次リーグ突破となるコロンビア戦。後半23分に守備の連係の乱れから決勝ゴールを許し、0−1で敗れた。ニュージーランドに快勝し、フランス相手に健闘して世界的にも高い評価を得たが、A組3位で敗退。集中力の欠如という課題を克服できず、結果が残せないジーコ監督(50)に対して、一部サポーターからは解任を求める声まで噴出した。
スタンドの日本サポーターから悲鳴が起きた。後半23分、MF遠藤からパスを受けたDF宮本は、相手のプレスを避けてヒール(かかと)キックで遠藤にボールを戻した。予期せぬパスに驚いたのは遠藤だ。処理にもたつく間にMFバレンティエラにボールを奪われた。さらに、ゴール正面のMFエルナンデスへとつながれた。守備の乱れを立て直せないまま、痛恨の決勝ゴールを奪われた。
「どういう状況か分かっていなかった。とりあえず返そうと思った」と宮本が言えば、遠藤は「前にドリブルして欲しかった」と話した。大事な場面での意志疎通の欠如が、日本の敗戦につながってしまった。
引き分けで良かった。例えゴールを奪えなくても、無失点に抑えれば、目標の準決勝進出が決まった。しかし、90分間守りきることはできなかった。一瞬の集中力欠如を、南米王者は見逃してはくれなかった。勝てた試合だった。少なくとも負けないことはできた。
ピッチでは引き揚げてくる選手をねぎらったジーコ監督だが、ロッカールームでは終始無言だった。会見場には両手をポケットに入れ、顔を真っ赤にして現れた。「あの位置でミスすれば、突破されてやられる。絶対に安全にやれ、と再三確認していた」と話した。
20日のフランス戦も宮本のパスミスからゴールを奪われた。昨年11月のアルゼンチン戦では、後半開始早々に集中力が切れて2失点した。ジーコ監督は「内容がよくても負ける。これまで何度かあったことが今日もあった」と悔やんだ。何度も繰り返された日本代表の課題。世界との「差」は埋まっていなかった。
今年最大にして唯一の目標だった今大会。しかし、結果は残せなかった。試合後、正面入口を出た川淵キャプテンに、十数人の日本サポーターから「ジーコを辞めさせろ」という声が上がった。さらに過激さを増し「独裁者はいらない。日本サッカーはお前のものじゃない」と言われると、同キャプテンが「何だ!」と激怒する場面もあった。
精彩を欠いたMF小笠原でなくFW大久保を先に交代させた。FW練習してきた松井をMFとして投入した。負けたことで、ジーコ監督のさい配に対する疑問も噴出する。「悩んだというか、考えたことはある」とも打ち明けた。フランス戦の健闘などジーコ監督の目指すサッカーができつつあるのは確かだ。しかし、結果は出ていない。相変わらずの「決定力不足」で、守備の不安をカバーすることもできない。5月31日から始まった代表強化月間で1勝1分け4敗。何よりも勝つことができない。
「サッカーは良くなっている。だが真剣勝負の場で勝ちにこだわる、1つのミスで勝利を逃してしまうことを強く意識しないと今後の大きな大会に勝ち抜けない。コツコツやっていくしかない」と、ジーコ監督は怒りと悔しさを必死に抑えるように話した。W杯予選まであと2年。時間は待ってはくれない。
[2003/6/24/09:08 紙面から]
写真=エルナンデスに決勝ゴールを奪われる日本代表。左は宮本、GK楢崎(撮影・宇治久裕)
|