U22代表10人で価値ある勝利!/親善試合
<国際親善試合:U−22日本1−0香港>◇29日◇香港・モンコックスタジアム
【香港29日=佐々木一郎】アテネ五輪を目指すU−22(22歳以下)日本代表が、アウエーの悪条件をはね返した。香港A代表と対戦し、前半36分にMF鈴木啓太主将(22=浦和)が退場となったが、ロスタイムにFW高松大樹(22=大分)が先制ゴール。相手のラフプレーと厳しい判定に苦しみながらも1点を守りきった。逆境をはね返した選手たちはカタールへ渡り、トルシエ前日本代表監督率いる同国A代表と11月3日に対戦する。なお、ナビスコ杯決勝などを控える一部選手は今日30日、帰国する。
これがアウエーだった。赤いカードに、ただあっけにとられるしかなかった。鈴木は前半13、36分にイエローカードを食らい、ピッチを後にした。だが、これが始まりだった。前半ロスタイムに高松が先制する。10人で体を張った。悪条件をはね返し、きっちり結果を残した。
「ジャッジに不満はあるけど、アウエーではこういうこともある。仲間に感謝しなくちゃいけないですね」。途中離脱の主将が苦笑いした。中国人の周偉親主審は訪問者に厳しかった。加えて相手のタックルは危険極まりなかった。DF茂庭は「相当汚いっすよ。普通にこっちを蹴ってくる」と格闘技のような試合を振り返った。
山本監督は「それを経験するために来ている。こういうんでも(ファウルを)取られちゃうんだねということを分かってくれる」と収穫を口にした。悪条件のピッチで選手は滑り、ボールの転がり方の違いに戸惑った。照明は暗かった。試合直前に、香港側から交代枠数の変更を打診された。9000人規模のスタジアムのベンチ裏では子供たちが騒いでいる。そんな環境にも屈しなかった。
アウエーの戦い。アテネへ避けて通れない。最終予選はUAEラウンドから始まる。後半途中、交代するMF根本が走ってピッチから出ようとすると、山本監督が怒鳴りつけた。「勝ってるんだから、ゆっくりこい!」。勝って自信をつけさせたい親心で、ささいなことまでこだわらせた。
A代表とはいえ、FIFAランク136位の相手から加点できなかった課題は残った。だが、闘志をむき出しにして泥臭い試合をものにした事実は、国際経験が少ないといわれるこの世代にとって100万ドルの夜景以上の価値がある。DF青木は「アウエーでやらなければいけないことはまだまだある」と言った。遠征は続く。今日30日、トルシエ監督の待つカタールへ乗り込む。
[2003/10/30/08:57 紙面から]
写真=前半ロスタイム、先制のゴールを決め笑顔を見せる高松(撮影・加藤哉)
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