ジーコ日本PK1点だけ/東アジア選手権
<東アジア選手権:日本1−0香港>◇2日目◇7日◇埼玉スタジアム
優勝をノルマに課されたジーコジャパンが、不安を露呈した。優勝へ向けて少なくとも2点差以上での勝利を目指したが、圧倒的にボールを支配しながら格下香港に1−0の辛勝。ゴール前を固めた相手にシュート21本を浴びせながら、得点は三都主アレサンドロ(26)のPKによる1点だけだった。来年2月に始まるW杯アジア1次予選に向けてのシミュレーションで課題を残し、今大会で優勝するには10日の韓国戦(横浜国際)で勝たなければならなくなった。
日本は勝つには勝った。だが、ゴールは思った以上に遠かった。ボール支配率66・4%と圧倒的に香港サイドに攻め込みながら、FW久保のシュートはクロスバーをたたき、決まったかに見えた大久保のゴールはオフサイド。結局、シュート21本を放ちながら、ゴールは三都主が奪ったPKによる1点だけだった。
ジーコ監督は「前半からチャンスをつくったし、もっと大量得点という試合だったら良かったんだが…」と開口一番。ゴール前を7人で固めた香港DFをかき回しはしたが、こじ開けることはできなかった。
香港はFIFAランク136位。来年2月に始まるW杯アジア1次予選で戦うオマーン、シンガポール、インドといった格下相手の格好のシミュレーションだった。前線からプレッシャーをかけてボールを奪っての速攻、サイド攻撃と攻め続けた。しかし、結果は出なかった。本番へ不安を残した。
「決定力は精神面よりも技術的な問題。今まで練習でやってきたことをこれからもコツコツやってくしかない。ただ、決定機をつくれたのは将来に向けて明るい材料だ」とジーコ監督は前向きにとらえている。しかしMF福西は「攻めっぱなしもダメ。攻撃にメリハリがないと」と課題を口にした。
この日の第1試合で韓国が中国に1−0で勝利。試合前から香港に2点差で勝つことが、韓国戦で引き分けでも優勝につながることは分かっていた。試合を観戦した日本協会の川淵三郎キャプテン(会長)は「選手は2点取って勝たなきゃいけないのが分かっていたのかね。弱い相手を徹底的にやっつける精神がなきゃダメ。がめつく点を取っていかないと」。大相撲の元横綱千代の富士(現九重親方)の例まで出した。「けいこ場で徹底的に下位力士をやっつけていた。それで横綱をはっていた」。絶対的な強さを見せられなかった日本へ苦言を呈した。
優勝がノルマに課された今大会で課題を露呈した日本。だが、ジーコ監督は悲観していない。最終戦に向け「韓国はしぶといチーム。真っ向勝負になる。作戦うんぬんじゃない」。11月19日のカメルーン戦(大分)で結果を出した藤田が合流するが、システムは3−5−2、先発も第1戦と基本的に変えるつもりはない。勝たなくていけない大一番で、ジーコ監督は選手の底力を期待している。
[2003/12/8/09:50 紙面から]
写真=前半31分、ゴール前で競り合う大久保(右)とGK范俊業(左)MF文彼徳(撮影・宮川勝也)
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