U23平山効果、ロシアとドロー/親善試合
<親善試合:U−23日本代表1−1ロシア代表>◇11日◇静岡スタジアムエコパ
怪物平山の加入が新たなエネルギーを生み出した。アテネ五輪を目指すU−23(23歳以下)日本代表が、ロシアA代表と1−1のドロー。前半33分、DF田中マルクス闘莉王(22=浦和)が攻撃参加でチャンスをつくり、FW高松大樹(22=大分)が先制ゴールを決めた。8日のイラン戦でデビュー弾を決めた18歳FW平山相太(国見高)の姿に年上の選手たちが発奮。3月1日から始まるアジア最終予選へ、代表が戦う集団に生まれ変わった。先発を外れた平山は後半27分から出場して無得点だったが、存在感で価値ある引き分けに貢献した。
ゴールを決めた高松が本音を漏らした。「別に(平山のことは)意識していないけど、タイプが似てるんで…。彼は結果を残しているし、自分も結果が欲しかった」。身長181センチの高さを生かし、レギュラーをつかんでいた。だが右太もも故障の影響で、3日前のイラン戦は平山が先発。前半33分の先制弾は、意地と執念がつまった1発だった。
高松のゴールを導いたのは、闘莉王だった。敵のパスを中盤でカットすると、約40メートルもドリブル突破。ペナルティーエリア直前で倒されたが、こぼれ球がFW坂田のつま先を経由して高松につながった。「若い選手はみんな(チームに)入り込んでいる。サバイバル意識を高くしている。すごくいいことだと思う」と真っ赤な顔で言った。
チーム最年少の18歳が、8日のU−23イラン代表戦でデビュー戦ゴールをもぎ取った。チームメートの活躍を喜ぶ一方、年上のJリーガーたちは、プライドを刺激された。本来、世界との差を痛感するためにマッチメークされたロシア代表戦。確かに苦戦した。フィジカル面の強さも実感した。だが鼻をへし折られる場でなく、猛烈なアピール合戦の舞台へ変わっていた。
現在のU−23日本代表には、81年4月生まれのGK黒河から、85年6月生まれの平山まで、5学年の選手たちが集う。多感な年ごろゆえ、1学年の上下関係や影響力は大人たちのそれをはるかにしのぐ。山本監督は「戦う気持ち、人間的な強さがでてきたことが成長だ。ある程度の成果は上がってきた」と手ごたえを振り返った。
「谷間の世代」と呼ばれたのも、もう過去の話。U−17世界選手権やワールドユース選手権で結果を残せなかった選手たちが主体となっていることが、揶揄(やゆ)される理由だった。しかし、平山らはそんな昔を知らない。むしろ無関係だからこそ、自然に自分を出せた。チームを変えることができた。
五輪で8強入りしたシドニー世代も、ユース組の加入が刺激となって世界舞台で輝いた。今回も、同様の雰囲気が漂ってきた。1月19日からの宮崎合宿、控えめなユース世代に、山本監督は「もっと自分を出して欲しい」と指摘した。平山は決して声でチームを引っ張るタイプではないが、ピッチでのプレーぶりが周囲への刺激薬になった。五輪切符を勝ち取るために必要なものは、最終予選を直前にして見えてきた。【佐々木一郎】
[2004/2/12/09:00 紙面から]
写真=後半36分、クロスに反応した平山はヘディングでゴールを狙うようにジャンプするがシュートならず。オノプコ(左)を押さえたとファウルの判定を受ける(撮影・加藤哉)
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