U23日本、敵地戦へ情報戦と心理戦本格化
【アブダビ(UAE)25日=中村基也、佐々木一郎】アテネ五輪を目指すU−23(23歳以下)日本代表の周囲で情報戦と心理戦が本格化した。アジア最終予選の初戦(3月1日)で対戦するバーレーンの試合を23日に石井コーチが視察したほか、日本協会スタッフは報道陣からも情報を収集する徹底ぶり。一方で、地元のUAE協会に打診していた練習試合の話は進展せず、アラビア語の通訳も融通してもらえないまま。本番を5日後に控え、微妙な駆け引きが始まった。
日本が開幕戦の相手の最新情報を手に入れた。中東に先乗りし、23日のバーレーン−サウジアラビア戦を視察した石井コーチは言った。「印象は監督に伝えました。それ以上は…。お互い、何人か出ていない人間もいましたし…」。詳細については口をつぐんだ。情報戦は、大会直前になってヤマ場を迎えている。
わずかな情報も逃さない。当地入りしている日本協会スタッフは一丸となっている。前日、日本の報道陣が地元紙記者からUAEの予想スタメンを聞くと、すかさず協会関係者が記者から情報を収集した。山本監督らは敵国の情報分析は済ませているが、勝つための意欲がスタッフを動かしている。
大会前に練習試合を検討しており、UAE協会に文書で依頼したが、なしのつぶて。日本のためのアラビア語通訳も決まっておらず、記者会見も未定。日本協会関係者は「それもアウエーの洗礼。気にしていたら駄目」と相手の揺さぶりをぼやきつつも、冷静さは失っていない。
山本監督はかねて「日本の情報は各国大使館を通じて、全部筒抜けのはず」と懸念していた。だが、日本側も負けてはいない。あえて3カ国と宿舎を別にしたのも、情報漏れを防ぐ意味もある。UAE入りして3日目のこの日も、フィジカル中心のメニューで汗を流した。今後は戦術練習が増えるが、CKなどセットプレーは詳細に新聞で報じないよう要請し、テレビ撮影は禁じられる。
選手たちのリラックスルームでは、対戦するバーレーン、レバノン、UAEのビデオが流れている。DF茂庭は「監督から言われなくても、情報は外部に伝えない。それは当然じゃないですか」と言った。情報戦、神経戦を制すれば、五輪切符に近づける。
[2004/2/26/08:16 紙面から]
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