疲れたU23に大久保が効く!メンバー発表
アテネ五輪切符奪取の切り札は大久保だ。14日からのアジア最終予選日本ラウンドに臨むU−23(23歳以下)日本代表が8日発表され、UAEラウンドで落選したFW大久保嘉人(21=C大阪)、右足第5中足骨の骨折が完治したMF阿部勇樹(22=市原)が復帰した。代表は9日に福島で直前合宿入り。UAEでの死闘でFW陣は疲労蓄積だが、日本での調整で体調万全の大久保がアテネに導くゴールを狙う。
アテネへの切り札となる男が、U−23日本代表に帰ってきた。待望の代表復帰だ。大勢の報道陣に囲まれた大久保は、慎重に言葉を選んだ。「復帰できてよかったと思います。危機感? 特にないですね。気持ちを切り替えるだけ」。ぶっきらぼうに答えたが、うれしくて仕方がなかった。
選ばれるとは思っていなかった。「試合? 見ましたよ。苦しい戦いを1位で通過してよかった」。そう答えたが、ライバルFW田中の活躍、苦しんだ末のUAEラウンド1位通過でチームはまとまっているように思えた。もう、出番はないとも覚悟していた。
A代表とU−23代表の兼務。両代表監督同士の、さらに日本協会とクラブとの綱引きまであった。アテネとドイツへの切り札として期待された。しかし、そこから一転しての代表落ち。「仕方がないですよ」。周囲には明るく振る舞ったが「次、落とされたら人間不信になるんじゃないの」。チームメートがそう心配するほど落ち込んでいた。
それでも、五輪への熱い思いは消えなかった。「アテネだけは何としても出たい。そのためには…」。目つきが変わった。連日、志願の居残りシュート練習。この日もC大阪での2部練習後、ムズロビッチ監督の球出しで1人シュートを打ち続けた。部屋にバランスボールを置き、夜中に筋力トレーニングも始めた。「正直言ってチームには痛い。でも、彼は本当にまじめに頑張っていたから」。その思いを知るからこそ、同監督は喜んで送り出す。
山本監督は「C大阪でキャンプをして体調も万全だろう。UAEに行った選手よりもへばりは少ない。攻撃力のアップにつながればいい」と期待した。それでも、大久保は自分の置かれた立場に気を引き締める。「引き分けとかもできない状況。得点を取れるよう動いて、力になれたら」。国見高の後輩平山がエースとして脚光を浴び、田中もUAEラウンド3試合で6点中5得点に絡む活躍。現状はサブ扱いでしかない。だからこそ、再びエースの座を勝ち取るためにゴールを目指す。【中村基也】
[2004/3/9/09:19 紙面から]
写真=U−23代表入りが発表された大久保は全体練習後に1人黙々とシュート練習を繰り返した(撮影・加藤哉)
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