地元ポルトガルが初勝利/欧州選手権
<欧州選手権:ポルトガル2−0ロシア>◇5日目◇16日◇1次リーグA組◇リスボン、エスタディオ・ダ・ルス
【リスボン=岡田美奈】開催国ポルトガルが、MFデコ(26=FCポルト)の活躍で1次リーグ突破に望みをつないだ。デコは、負ければ同リーグ敗退が決まるロシア戦で、MFマヌエル・ルイコスタ(32)に代わって先発。MFマニシェ・リベイロ(26)の先制点をアシストするなど、陰りの見える「黄金世代」に代わる新リーダーとして、チームを2−0の勝利に導いた。
「黄金世代」から「デコ時代」へ、ポルトガルの世代交代を印象づける一戦だった。長年チームを引っ張ってきたDFのF・コウト、司令塔ルイコスタが先発から外れ、デコが誰よりも多くの声援を受けてピッチに立った。開幕戦でギリシャにまさかの黒星を喫したフェリペ監督は「生きるか死ぬか」と表現した大一番で、デコにかけた。
采配は的中した。デコは前半7分、素早いパスから「FCポルトライン」でマニシェの先制ゴールをアシスト。その後も小気味のいいパスで、ドリブル中心の単調な攻撃パターンを打開した。174センチと小柄ながら当たり負けしないプレーと、豊富な運動量で守備にも貢献。沈滞ムードだったチームを一変させた。
ブラジル生まれだが、フェリペ監督の「ポルトガル市民権を得れば、必ず代表に入れて起用する」という誘いを受けて従った。実際はフィーゴら「黄金世代」からの重圧で、控えに甘んじた。それでも「僕はスターの器ではないから」と謙虚に話し、文句は言わなかった。一方でFCポルトの主軸として、今季欧州チャンピオンズリーグ優勝の立役者に。ついに「デコが先発なら、彼がそうしたようにサポートに回る」とルイコスタに言わしめた。
地元で売られている雑誌の表紙はデコばかり。体格とアジア系ぽい顔立ちから「チーノ(中国人)」の愛称で国民に愛されている。来季は移籍金約40億円でチェルシー入りが確実。同時に強豪バイエルンから「デコを獲得できればバラックを放出してもいい」とまで高く評価されている。
まじめで、控えめな性格だが、この日は「やっぱり先発で出ると違うね」とうれしそうだった。フィーゴに代わって途中出場し、追加点を導いたMFロナウドとともに、新生ポルトガルの象徴となった。20日には準々決勝進出をかけて宿敵スペインと対決する。
[2004/6/18/09:17 紙面から]
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