ギリシャ、規律と組織で初V/欧州選手権
<欧州選手権:ギリシャ1−0ポルトガル>◇4日(日本時間5日)◇リスボン◇決勝
【リスボン=岡田美奈】ギリシャが初の欧州王座に就いた。開催国ポルトガルを1−0で下した。中盤でのプレス、ゴール前での高さ、セットプレーの決定力という持ち味を最後まで貫き、勝ちきった。ポルトガルとは開幕戦と決勝で対戦する因縁で、2戦とも勝利する力強さだった。ビッグネームはおらず、前評判は高くなかったが、ドイツ人のオットー・レーハーゲル監督(65)が3年間かけてつくったサッカーは、欧州最強だった。来月のアテネ五輪、06年W杯ドイツ大会でも侮れない存在だ。
地元ファンの後押しを受けたポルトガルより、国際舞台の経験が浅いギリシャの方が堂々としたプレーぶりだった。もう「伏兵」でも「奇跡」でもない。勝つべくして勝った。後半12分にCKからのヘディングで殊勲弾を決めたFWハリステアスは「優勝できないわけはないと思っていた」と振り返った。
躍進のきっかけは01年10月W杯予選イングランド戦にあったと、主将ザゴラキスは明かしている。後半ロスタイムに相手MFベッカムにFKゴールを許し、2−2に追いつかれ、結果的にW杯行きを逃した。「そこまでは試合を支配していた。精神面の強さが必要だと知り、国際舞台でやれるという気にもなった」。個性より、規律と組織を重んじるレーハーゲル流を信じた瞬間だった。
開幕前のブックメーカーの優勝オッズは81倍とか101倍とか低評価だった。だが、予選でスペインを破って6組首位突破なのに、本大会でスペインより低いA組第3シードとされたことが、そもそもおかしかったのかもしれない。
大会中にはボーナス問題でもめたが、決勝の前に協会側が折れて一件落着し、選手のモチベーションも急上昇。実際は政府が介入し、宝くじの収益金を充てたという。決戦を前にザゴラキスは「PK戦の練習などしない。優勝カップを掲げる練習をしたさ」と笑っていた。
戦術だけでなく、レーハーゲル監督は選手の乗せ方もうまかった。この日は、ブレーメンで控えに甘んじているハリステアスに「お前に失うものはない。自分で名誉をつかめ。お前の速さと技術を見せてやれ」とゲキを飛ばしている。自分たちのサッカーを貫けばどんな強豪にも勝てると、選手に信じさせたことが何よりの勝因だった。
[2004/7/6/08:10 紙面から]
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