ジーコ監督3年目の初タイトル/キリン杯
<キリン杯:日本1−0セルビア・モンテネグロ>◇13日◇横浜国際総合競技場
まずは1冠奪取。日本代表は13日、セルビア・モンテネグロ代表と戦い、後半3分、鈴木のパスを受けたMF遠藤保仁(24=G大阪)がゴールを決め、3カ国対抗のキリン杯を制した。ジーコ監督(51)は就任29戦目、4大会目にして初タイトルを獲得。主力不在でも組織力を増した「脱欧州」型の布陣で、アジア杯連覇を目指して15日、中国に乗り込む。ジーコ日本は1分けをはさみAマッチ5連勝。通算成績は15勝7分け7敗となった。日本代表はキリン杯通算7度目の優勝。
これが成長したチームの姿だ。1−0で逃げ切って手にした初タイトル。ジーコ監督は川淵キャプテンと固い握手を交わす。自らに課したノルマの第1関門突破を冷静に振り返った。
ジーコ監督「タフな試合になったが、自分たちのサッカーを最後までやってくれた。すべての主役は選手たち。力を出せば勝てると思っていた」。
会見途中で壇上から降りて、ピクシーの愛称で親しまれた元名古屋のストイコビッチ会長と握手した。「精度の高いチームになったといわれました。06年にドイツ(W杯)で戦おうと…」。勝利に包み込まれたジーコ監督は「選手たちもロッカー室で喜びを爆発させていた」と実感をにじませていた。
中田英もいなければ、久保、高原のFW陣も不在。中盤の小野も稲本もいない。「欧州・主力不在」のチームでも、束になって戦えばチーム力は倍増する。初戦のスロバキア戦でDF坪井が離脱。満身創痍(そうい)のチーム状態でも、今春からの東欧、英国遠征で培った強い精神力、底上げを確信していた。
ジーコ監督「全員が歯車としてやるべきことをやっている。今、チームは自信を持っている。この勢いを落したくない」。
平均183センチの高さと、「欧州のブラジル」と言われた旧ユーゴスラビアの流れを引き継ぐ技術の高いサッカーに苦しんだ。それでも司令塔中村を軸に巧みなパスワークと相手DFの裏を突く戦術が、ボランチ遠藤の決勝点を生んだ。何度も繰り返したセットからの守備練習。中沢がヘッドではね返し、GK川口も好セーブ連発で守り抜いた。
一時は采配、戦術、選手起用への批判が高まったころもあった。それでもジーコ監督は「結果を見てくれ」。その言葉通り、今季は11戦して9勝。この勢いで連覇のかかるアジア杯(17日開幕)、そして9月から再開するW杯予選へとなだれ込んでいく。
昨年12月。東アジア王者の座を総得点差で逃した。舞台は同じ横浜。見事なリベンジを果した。「(アジア杯も)自分たちのタイトルを日本に持って帰ってくる」。自信に満ちた表情が、進化したジーコ日本を物語っていた。【田 誠】
[2004/7/14/09:12 紙面から]
写真=勝利の瞬間ガッツポーズで喜ぶジーコ監督
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