足で頭で中沢だぁ/アジア杯
<アジア杯:日本4−1タイ>◇8日目◇24日◇中国・重慶◇1次リーグD組
もう帰り始めた地元ファンは、日本が誇るとっておきの「驚弾」を見逃した。3−1の後半42分。DF中沢のボンバーヘッドがサク裂した。左CKからのこぼれをつなぎ、MF遠藤が左から狙い澄ましたクロスを上げる。チーム最長身187センチの男が飛び込んで、決勝トーナメント進出決定の勝利を締めくくった。
「遠藤がこっち見たから目があったんで」。中沢はニコリともせずに振り返った。後半11分には同じ左CKから、小笠原のシュートのこぼれを拾い、DFをかわして「とにかく打ったれ!」と豪快に右足シュート。大勝に導く勝ち越しゴールを決めていた。僚友中村らと並ぶ大会トップタイの2ゴール。川淵キャプテンは「願わくばFWに点を取ってほしいが、中沢は2点とも素晴らしかった」と称賛した。Jリーグ創設の93年以降のAマッチでDF出場時での得点は、井原を抜き単独トップの通算6得点となった。
日本より平均身長で劣るタイに、狙い通り制空権を支配して大勝。だが、実は中沢のアイデアがその裏にあった。高さで圧倒できる相手には、飛び込んでくる選手に向かうボールのCKがいいと、オマーン戦からキッカーを左右逆に変更。後半23分の福西などCK絡みで3点を奪った。英国遠征から7試合連続フル出場中で、ジーコジャパンには欠かせない主力となった自覚の芽生えだった。
「相手どうこうより、暑さとの闘いだから」。体重を落とさないよう「食欲がなくてもヤケ食いしている」と涙ぐましい努力で体調管理も怠っていない。「DFはまだまだ。ただ、1点取られても2点取る力がある。自信持っている」とチームの成長を感じ取った。強さを誇る守備とFW顔負けの得点力。背番号22の背中が、試合ごとに大きくなっていく。 【西尾雅治】
[2004/7/25/09:15 紙面から]
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