俊輔文句なしMVP!全点起点/アジア杯
<アジア杯:日本3−1中国>◇決勝◇最終日◇7日◇中国・北京、工人体育場
【北京(中国)7日=田 誠、西尾雅治、盧載鎭】俊輔の左足がジーコジャパンをアジアの頂点に導いた。圧倒的な声援を受ける開催国・中国に対し、前半22分にMF中村俊輔(26=レジーナ)がFKからMF福西崇史(27=磐田)の先制ゴールを演出するなど全3得点に絡み、大会MVPに輝いた。黄金の中盤でただ1人参加した中村は、のしかかる重責を黄金の左足で振り払った。
子供のようにはしゃいだ笑顔の中村が、小躍りするようにステップを切った。早川トレーナーに抱きつき、そしてジーコ監督の胸に思い切り飛び込んだ。やった。勝った。アジア王座をみんな力で守り抜いた。6試合、壮絶な試合を戦い終えた疲れも吹っ飛んだ。ウオーターファイトが気持ちいい。背番号「10」に背負い込んだ重責が吹っ飛んだ。
最後も「伝家の宝刀」がうなった。ホームの6万人以上から受ける大声援を真っ向から受け、俊輔の左足が黙らせた。1−1の後半20分、右CK。「GKが浮ついているように思ったから、GKめがけてけった」。絶妙のボールから中田が体ごと決勝点を押し込んだ。勝利を確信した終了間際、中国の4バックの裏にスルーパスをずばっと出して玉田のダメ押し弾を演出。「オレが中村だ」。中国、アジアに己の力を見せつけるフィナーレ。先制点とあわせ全3得点に絡んだ。今大会、日本の13得点のうち司令塔は2得点2アシストを含め9ゴールが背番号10から生まれ、MVPにふさわしい活躍だった。
「覚悟はできていた。いいときは自分で、悪いときも自分がたたかれる」。中田英ら欧州組が不参加だったアジア杯。一身に背負う責任の重さを感じていた。苦しい状況に歯を食いしばるシーンの方が多かった。「でも、自分で勝ち取ったのは自信になる」。
準決勝バーレーン戦の翌4日。疲労からくる腰痛のため薬を飲んだ。左ひざ、同足首と満身創痍(そうい)。試合翌日のオフは宿舎で、いつも体のケアを入念すぎるほど施す中村がいた。「1日中、体のことを考えて、何でもやっていた。逆に体が疲れるんじゃないかというぐらい」と早川トレーナーは証言した。
アジア王座は死守したが、「これでOKだと思うと前回のようにフランスに0−5でやられたりする。常に世界の強豪とやる意識をもってやらないと」と言った。今日8日に帰国してレジーナの一員として横浜戦に出場予定。俊輔の暑く長い夏は、まだ終わらない。【西尾雅治】
[2004/8/8/11:03 紙面から]
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