<親善試合:日本4−0カザフスタン>◇29日◇横浜国際総合競技場
日本代表が変幻自在の攻撃を披露した。05年初戦でカザフスタンと対戦し、4−0で快勝した。前半5分に右サイドを起点とした攻撃でFW玉田圭司(24)が先制点を奪うと、縦横無尽に相手守備網を粉砕した。同11分に左CKからDF松田直樹(27)、同24分には右FKをDF三都主アレサンドロ(27)が直接、後半15分には中央を崩して再び玉田が決めた。W杯アジア最終予選初戦(2月9日、埼玉)でゴール前を固めることが予想される北朝鮮の攻略法がつかんだ。
濃密で意味のある4ゴールの味をかみ締めた。交わし合う固い握手に余韻が残る。05年初戦を終えた選手の表情は自信に満ちていた。祝福の輪の中でジーコ監督が小笠原の肩をポンとたたく。「ナイスゲームだったぞ」。神様の一言に収穫が凝縮されていた。
右から左から中央から。全方位からカザフスタンのゴールを射抜いた。右サイドが起点となった玉田の1点目、セットプレーで挙げた2、3点目、そして真ん中から崩した4点目。前半途中からはトップ下の小笠原がMF福西と話し合い、ボランチ陣の位置に後退していた。「(3人のうち)だれか1人が残れば前に出ていいとジーコにも言われた」。ボランチからトップ下への縦への連動が相手を混乱に陥れた。柔軟に、自由自在に攻め立てた。
制空権も日本の手にあった。日本より平均身長が約3センチも高い相手は5バックでゴール前のスペースを消してきた。だが高い壁も関係ない。187センチのDF中沢を軸に、180センチ台のDF松田、FW鈴木、MF福西の4枚がセットプレーで高く舞い上がり、空中戦を制す。前半11分には松田が代表史上4番目に遅い40戦目での初ゴールを決め、同24分には鈴木、福西が飛び込んで相手GKに死角をつくり、MF三都主の代表初FK弾を演出した。平均181センチ台の相手に通じた高さは、小柄な北朝鮮には絶対的な武器になる。
サイド攻撃の幅も広がった。相手選手2人のマークを受けた左サイドの三都主に対し、右サイドの加地が縦へ縦へ突き進んだ。前半15分には軽やかに相手DFをかわし深くえぐってから鈴木へ好クロスを通した。「(テクニカルアドバイザーの)エドゥーからもっと仕掛けるように言われていた」と課題を消化。昨年は「左」から46%のアシストが記録されたが、27%止まりの「右」が強化されれば、両翼が大きく翼を広げられる。相手は調整不足でマークも甘かったが、ゴールを決めた意味は大きい。
やはりゴール前を固めてくると思われる北朝鮮が徹底分析してくる一戦で、惜しげもなく多くの得点パターンを見せつけた。「相手に隠しても世界レベルなら見抜かれる。われわれは非公開せずにアジアを制した。現時点で秘密はない」。ジーコ監督の言葉のはしばしに自信がみなぎる。ドイツへの道がはっきりと見えている。【広重竜太郎】
[2005/1/30/09:20 紙面から]
写真=前半24分、三都主(左)は3点目のゴールを決め2点目を奪った松田とジャンプしながら大喜び。右はうなだれるシェフチェンコ(撮影・栗山尚久)
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