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最大の危機はヒデが救う。勝てば3大会連続W杯出場に王手となる今日3日(日本時間4日)のバーレーン戦。1・5列目で先発予定だったMF中田英寿(28=フィオレンティーナ)は、小野が負傷離脱した紅白戦途中で急きょボランチに回った。前回のバーレーン戦と同じ位置から「勝ち点3」奪取へ積極的な攻撃参加も狙う中田英がボランチ、司令塔、FWと3役をこなし、ジーコ監督から「攻撃専念」指令を出されたMF中村俊輔(26=レジーナ)もサポートする。
どこにいようが使命は変わらない。バーレーンに勝つために、W杯に行くために。中田英が守って、攻めて、点を取る。小野負傷離脱の危機を救い、日本を引っ張る原動力。その重責を担う男が中田英であることも変わりない。
試合前日の公式練習。1人だけノースリーブシャツにパンツをたくし上げたスタイルで登場するとジーコ監督と2人で8分間話し合い、その後フォーメーションの確認。柳沢、中村、小笠原の前線3人に絡み、守備では福西に細かい指示を出した。「僕も積極的に得点に絡みたい。前回(バーレーン戦)より攻撃的にいければ。とまどいはない。勝つことだけを考えてやるだけ」。
妥協はない。バーレーン入りした1日(日本時間2日未明)の紅白戦の最中に、中田英が怒鳴り声を張り上げた。小野が負傷離脱し、1・5列目からボランチに下がった直後だった。「行けねえじゃねーかよっ ! 」。福西に向かって守備の位置取りについて意見をぶつけた。GKからのリスタートが一瞬止まり、ピーンと空気が張り詰めた。3月のイラン戦前と同じ激しいやりとりで実戦の中ですぐに修正点を訴えた。
攻撃面では求めるプレーを体現した。「1トップでも攻めなきゃいけない」。ポジションが当初の1・5列目から変更になったが、攻めに転じたときはボランチから攻撃参戦。前半14分の1点目は、相手速攻をカットした中田英が起点。前半25分には、三都主のクロスに飛び込んで右足ゴールを決めた。
試合に飢えている。所属するフィオレンティーナで9戦連続出番なしのまま合流。だが、試合勘の不安も消し去るほど状態のよさに自信がある。「(前回)3月のときよりコンディションはいいんだ」とチームメートに打ち明けたように、紅白戦では2日続きでオーバーヘッドを披露。セットプレーでは中沢らとともにゴール前に飛び込む役だ。
8年前、日本が初のW杯出場を決めたイランとのプレーオフ。延長戦の土壇場で生まれた岡野の決勝弾も、最後まで死力を尽くした中田英から生まれた。「絶対にW杯に行く」というジーコ監督の意志を受けて決戦に臨むエース。どこでもやる。なんでもやる。ヒデならできる。【西尾雅治】
[2005/6/3/08:19 紙面から]
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