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<W杯アジア最終予選:日本1−0バーレーン>◇B組◇3日◇マナマ
キーマン小笠原が日本をドイツに導く。W杯最終予選バーレーン戦の前半34分、小野の負傷離脱で先発に抜てきされたMF小笠原満男(26=鹿島)が日本のW杯出場に王手をかける1−0勝利の決勝ゴールを決めた。8日北朝鮮戦(バンコク)ではMF中田英、中村が累積警告で出場停止となるが、小笠原が司令塔として中盤をしきり、勝利をもぎとる。
2年半の集大成をかける恩師ジーコの思い、日本サッカー界の願いを託され、小笠原が攻撃の核になるときがきた。「まだW杯が決まったわけじゃない。次の試合が本当に大事になるけど、出た人が頑張れば問題ない。引き分けでも? いや勝って決めたい」。W杯切符に王手のかかった8日の北朝鮮戦へ必勝を誓った。
大一番のバーレーン戦。4人の心が通じ合った。中田英の縦パスを中村がヒールで落とす。小笠原が受けた瞬間、中村は右に、柳沢が左へ流れる。バーレーン守備陣が2人の動きにつられたスキを小笠原は逃さなかった。「(中村へ)ワンツーパスの選択肢もあったけど、あそこでズレがでてきたので、思い切ってシュートを打った。GKが右よりだったから右のモーションでひっかけて左へ蹴った」。
前半34分、欲しかった先制点をゴール左に決めると、猛烈な勢いで駆け寄ってきた中田英と抱き合った。1トップの柳沢に中盤の3人が絡み、絶妙に連動し合いながら生まれたW杯王手弾。ピッチに立つ喜びとその中心にいた背番号「8」が、マナマの夜に映えた。
思いがけないチャンスに奮い立った。敵地に乗り込んだ1日、紅白戦途中で小野が負傷離脱。中田英がボランチに下がり、空いた1・5列目に急きょ抜てきされた。欧州組が合流すれば、それまでの定位置はあっさり奪われてきた。控え組にまわる紅白戦では、いつも敵意むき出し。3月のイランでは中田英と激しくボールを奪い合いヒジ打ちの応酬であわや一触即発。今回は主力組を破るアシストも決めて存在感を示していた。
「伸二(小野)のためにという気持ちもあった」。だが意地もあった。「こんなことがなければメンバーは変わらない」と本音をはいた男は汚名返上のチャンスに飢えていた。直前のキリン杯2試合はジーコ体制初の連続完封負け。「2試合ふがいない試合をしてしまった。もう1度やらなきゃと思ったのが大きい」。鹿島鈴木強化部長は言う。「以前なら、あそこでパスを出していた。結果を出さなきゃいけないという気持ちがあったんだろう」。自らの誇りをかけた1発だった。
北朝鮮戦では、出場停止のため、ここまでチームを引っ張ってきた中田英も中村もいない。「出たら結果を出すだけ」。重責を双肩に背負っても、つかんだ小笠原の自信はもう揺るがない。いばらの道もゴールまであと1歩。最後の最後で、反骨精神を支えに努力を続けた日陰の男がまぶしいスポットライトを浴びる。小笠原がW杯への扉を開ける。【西尾雅治】
[2005/6/5/07:05 紙面から]
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